賃貸アパートを売却するメリットとは|入居者がいる場合の注意点

賃貸アパートは、建物自体の老朽化による建て替えという選択肢もありますが、相続する後継者がいないことなどが原因で売りに出されることもあります。しかし、入居者がいる場合は、事前に通知をしなければならないことや、入居者が応じない場合には退去に伴う費用を負担しなければならないなどの注意点があります。
ここでは、賃貸アパートを売却するメリットや入居者がいる場合の注意点について解説していきます。

 

1.賃貸アパートの建て替えが売却で迷う時

賃貸アパートの建物自体の老朽化が酷く、建て替えを検討しなければならないこともあります。しかし、建物を解体して新しい建物を建て替えるには、費用も必要となります。

1.1賃貸アパートを建て替える場合

木造アパートの法定耐用年数は22年と定められていますが、実際のところは、築20年も経てば老朽化は目立つ場合が多いのが現状です。また、木造アパートの場合は、火事や地震にも弱いというデメリットを抱えており、防音や遮音性が低く、近年では鉄筋造や鉄筋コンクリート造の物件に人が集まりやすい傾向にあります。
さらに、木造に限らず1981年以前に建てられたアパートは、新耐震基準を満たしていない可能性も高く、耐震補強工事が必要となり、管理や維持に費用がかかってしまうのが現状です。
そのため、アパートの建て替えした方が建物の構造上安心であることに加え、入居者も集まりやすいと言えるでしょう。しかし、建て替えをするには一時的にかなりの費用が必要となることは否めません。
従って、アパートの建て替えを検討する場合は、新たな融資先を確保することに加え、今後の経営状況によっては多額の負債を抱えるリスクがあることを念頭に置いておかなければならないと言えるでしょう。
政府が推進している対策の一つとして、省エネ・低炭素設備や再生可能エネルギー設備への投資「グリーン投資」があります。グリーン投資は、太陽光発電システムの導入し、1年以内に発電を行うことで減価償却資産の特別償却や税額控除ができる制度となっており、節税対策の一つとして注目されています。

1.2賃貸アパートをリフォームする場合

賃貸アパートを建て替えなくても、リフォームをすることによって、新たな住空間として生まれ変わることができます。賃貸アパートの建物の状態にもよりますが、比較的小規模なリフォームで済むケースだけでなく、最新の設備を備えることによって大規模なリフォームが必要なケースも考えられます。
従って、思い切って建て替えることに比べると費用は抑えることができるというメリットはありますが、耐震補強工事を付け加えると費用は拡大するため、今後の収益を見据えた資金計画が必要だと言えるでしょう。しかし、建て替えに近い状態で居住者の募集ができるため、居住者が集まりやすくなる可能性は高いと言えるでしょう。

助成金について

空き家などの住宅を購入してリフォームする場合は、リフォーム費用を住宅ローンに上乗せできたり、各自治体が助成金制度を設けています。しかし、賃貸アパートのリフォームについては、現在のところ助成金制度はありません。
しかし、太陽光発電発電システムやエコキュートの設置などのエコ住宅へのリフォームの場合は、一定の条件をクリアすることで助成金の支給を受けることができます。

1.3賃貸アパートを売却する場合

賃貸アパートの今後を検討する際に、リフォームや建て替えは、新たな融資先を確保しなければならないことや一時的に多額の費用が必要になるため、売却するという選択肢もあります。
賃貸アパートを売却する場合は、売却することによって現金化できるため、一時的にまとまったお金が手に入るというメリットがあります。ただし、築年数が古かったり建物の状態が良くないと、想像以上に低い金額で取り引きされるケースもあります。
また、建物がある状態で売りに出すよりも、建物を解体した上で更地として売りに出した方が活用方法の幅が広いために、売り手がつきやすい傾向にあります。このような状況を受けて、建物を解体して売り出すことも一つの手段ですが、解体費用の支払いは避けて通ることはできません。
しかし、賃貸アパートにかかる今後の管理や、維持に関する費用を考慮しても、たとえ低い金額でも売却した方が損失が少ない可能性もあると言えるでしょう。なお、賃貸アパートを売却して売却益が出た場合には、譲渡所得税などの税金が発生することを心得ておきましょう。

1.4賃貸アパートの今後を検討する注意点

前述したように、賃貸アパートの今後を検討するには、建て替え・リフォーム・売却という3つの方法が考えられます。しかし、それぞれの方法にメリットやデメリットがあるため、今後の生活を考慮して十分に検討する必要があると言えます。
また、賃貸アパートを購入する際にローンを組んでいる場合、売却という方法を検討しているのであれば、ローンを完済することが前提となります。そのため、ローンの残債を確認し、完済の目途が立った時点で売却に踏み切ることをお勧めします。
なお、賃貸アパートのリフォームを検討する場合は、新たに建て替えるよりも約半分の費用で済ませることができるため、入居者を集めやすく今後の安定した家賃収入を目指すにはお得な手段だと言えるでしょう。

・建て替え
・建物の一部をリフォーム
・売却して現金化

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2.賃貸アパートの売却方法を検討する

賃貸アパートを売却する場合は、先ず入居者の有無を確認することからスタートしましょう。その理由は、入居者の有無によって、売却方法が異なることが挙げられます。

2.1入居者がいる場合

売却を検討している賃貸アパートに入居者がいる場合は、投資用物件として売り出す「オーナーチェンジ」という方法で売却することになります。
この方法は、入居者が支払う家賃収入で収益を上げることを目的とした人が買い手となり、入居者がいる場合は購入後すぐに収益が見込まれるという買い手側のメリットがあります。

2.2入居者がいない場合

売却を検討している賃貸アパートに入居者がいない場合は、買い手が前述したような投資目的だけでなく、自分も居住することを目的としているため、投資用物件として売り出すよりも買い手がつきやすい傾向にあります。
しかし、この方法で売り出す場合は、入居者に退去してもらう必要があることに加え、入居中の内覧ができないというデメリットがあります。なお、入居者に退去してもらうためには、法律上、契約が満了する1年前から6カ月前までに通知することになっているため、早めの売却計画が必要だと言えるでしょう。

2.3売却方法で査定方法も異なる

賃貸アパートを売却する場合、投資用か居住用のどちらの売却方法を選択するかによって、賃貸アパートの査定方法が異なります。居住用として売り出す場合は、一般的な家の売買と同様に、取引事例比較法が用いられます。取引事例比較法とは、過去の類似物件の取引事例を参考にして査定額を算出する方法です。
一方の投資用では収益還元法が用いられ、対象となる不動産が今後生み出すであろう収益を見込んだ上で査定額を算出します。なお、収益還元法では、見込まれる収益に対して買い手がつくため、家賃が低い物件では低い査定となる場合が多く、家賃が高い物件では高い査定となる傾向にあります。

・オーナーチェンジ
・投資用と居住用
・査定方法が異なる

3.賃貸アパートを売却する場合の注意点

賃貸アパートを売却する際には、複数の不動産業者に査定を依頼して査定額を比較するなどの注意点を押さえておくと良いでしょう。ここでは、賃貸アパートを売却する場合の注意点を順に解説していきます。

3.1売却の理由を曖昧にしない

賃貸アパートを売却する理由は、建物の老朽化などが原因で入居者が集まらないことや、思うような収益が見込めないことなどが挙げられます。このような売却理由は、仲介を依頼する不動産業者にきちんと伝えることで、売り手に対する信用を得ることができます。
例えば、事件や事故が発生した物件であることや、重大な欠陥を隠している場合は、売却後に瑕疵(かし)担保責任で損害賠償を請求されるリスクがあるので注意が必要です。

3.2物件の相場を調べる

不動産業者に査定を依頼する前に、賃貸アパートの相場を自分で調べてみましょう。類似物件の相場を調べることによって、不動産業者から提示された査定額に対する客観的な見方ができるだけでなく、相場に近い査定額を提示しているかを確認しやすくなります。
なお、自分で相場を調べる方法は、新聞の折り込み広告やポスティングされるチラシ、インターネット、住宅情報誌など多種多様です。また、国土交通省が公開している「土地総合情報システム」や不動産流通機構が運営している「レインズ」でも調べることができます。

3.3複数の不動産業者に査定を依頼する

賃貸アパートを売却する場合だけでなく、一般的な不動産の売買においては、不動産業者に査定を依頼するのが一般的です。また、査定を依頼する場合、1社だけでなく複数の業者に依頼することで、査定額を比較検討できます。
基本的には、ほとんどの不動産業者が同じ査定マニュアルに基づいた査定額を算出しているのですが、物件の人気度や立地条件によっては基本の査定額にプラスアルファがある場合があります。
そのため、複数の業者に査定を依頼し、より高い査定額を提示してくれる業者と媒介契約を結び、仲介を依頼するようにしましょう。

・売却理由は明確に
・類似物件の相場を調べる
・複数の業者査定を依頼

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4.賃貸アパートに入居者がいる場合の注意点

賃貸アパートを売却する際に入居者がいる場合は、法律で定められた期間内での通知が義務づけられており、敷金の取り扱いなどに注意が必要です。

4.1入居者への通知

賃貸アパートを売却してオーナーチェンジする場合、入居者にとっては大家が変わるということになります。オーナーチェンジの場合は、入居者に賃貸アパートの売却すること自体の通知義務は法律で定められていませんが、礼儀として通知だけはしておく方が望ましいと言えるでしょう。
また、賃貸アパートの売却後には、家賃を振り込む口座や名義人が変更となるため、入居者への通知と口座の変更を通知することになります。なお、口座や名義人を通知する際には、売り手と買い手の連名での通知が必要となり、管理している不動産業者を通じて行われるのが一般的です。
その理由は、売り手と買い手のどちらかの通知であった場合、振り込み詐欺などの事件に巻き込まれる可能性も高いことが挙げられます。

4.2敷金の取り扱い

売却する賃貸アパートに入居者がいる場合は、入居者から入居時に敷金を預かっています。そのため、入居者から預かった敷金は、賃貸アパートの買い手に引き継いでおく必要があります。
敷金の引き継ぎが行われていないと、入居者が退去する際に壁紙の貼り替えやハウスクリーニングなどで使った費用を差し引いた残金の取り扱いについて、トラブルに発展する可能性があります。
さらに、敷金が賃貸アパートの物件価格に含めて取り引きされるケースもあるため、売買契約を交わす際に買い手の了承を得るなどの工夫が必要となります。

4.3退去が必要な場合

賃貸アパートを売却する際に、入居者がいない状態で売り出したい場合は、入居者に事前に退去を通知する必要があります。退去を通知する場合は、法律上、契約が満了する1年前から6カ月前までに通知することになっていることに加え、正当な理由が必要となります。
なお、アパートを売却することが、退去を通知する正当な理由とは捉えられないため、大家側が費用を負担することで退去を依頼するケースもあります。しかし、立ち退き料に法律上のルールはないため、引越し費用や転居先の契約費用に加えてお詫び料などを換算して支払うケースが多いのが現状です。
このような入居者がどのくらい入居しているかにもよりますが、人数が多い程費用も掛かるということになります。

・入居者への通知
・敷金は買い手に引き継ぐ
・立ち退き料の支払い

5.事前準備を徹底して失敗のない売却を目指そう

賃貸アパートを売却する場合、一時的にまとまった金額が手に入るなどのメリットがある一方で、ローンを完済できることが前提であることや入居者がいる場合の問題などデメリットもあります。
そのため、賃貸アパートを売却するにあたって、短期間ではなく長期間に及ぶ計画的な売却を検討することが重要だと言えるでしょう。
また、査定を依頼する場合は、複数の不動産業者に査定を依頼して査定額を比較することで、より高値での売却も実現できる可能性が高くなると言えます。そして、事前準備を徹底して、失敗のない売却を目指しましょう。

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