アパート経営で得られる収入とは|必要な経費も合わせてチェック

資産運用の一つとして知られているアパート経営ですが、どの程度の収入が見込めるのか知らない人は多いです。アパート経営で得られる収入や必要な経費、アパート経営をする上での注意点などをしっかりと理解して、資産運用の際に役立てましょう。

1.アパート経営で得られる収入とは?

アパート経営での収入がどのくらいになるのか、気になるところです。土地活用方法としても知られている賃貸経営は、どの程度手取り収入があるのかみてみましょう。

1.1家賃収入のみ

アパート経営で得られる収入は、基本的に家賃や駐車場代のみになります。もちろん、得た収入からさまざまな経費が差し引かれるので、戸数分の家賃代が全て手元に残るわけではありません。

年間家賃収入=平均月額賃料×12カ月×戸数

また、手取り収入を試算する場合には、満室の状態で試算するのではなく、空室もあるかもしれないということを念頭に置いて計算することがおすすめです。万が一、満室にならず思っていた収入が得られなかったときでも慌てず対処することができます。

1.2手取り収入の相場は?

一概に手取り収入を答えることは難しいです。家賃の設定が地域によって大きく異なることも影響します。家賃設定は都市部ほど高くなり、地方だと安くなる傾向があります。国土交通省の発表によると、関東の首都圏での平均月額賃料としては、1R・1K・1DKで4万円、1LDK・2K・2DKで5万円、3LDK・3K・3DKで6万円となっています。
たとえば、8戸のアパートと仮定して試算してみると、年間家賃収入は384万円~576万円となります。ここから必要な経費を差し引いたり、満室でないことも考慮すると、手元に残る収入はもっと少なくなることが分かります。

1.3収益性を考えて利回りを計算することが大切

アパート経営を行う上で、利回りを考えることは大切です。利回りとは、支出に対して収益が占める割合のことをいいます。利回りを表す数値にはさまざまなものがあるので、しっかりと理解しておきましょう。

表面利回り

年間収入を購入費用で割った数値で表されます。大まかな収益力を捉えるには便利ですが、購入年のみの指標になるため、継続して維持していけるかどうかは判断がつかないデメリットがあります。

表面利回り=年間収入÷購入価格×100

たとえば、家賃8万円、10戸、購入価格を1億円で試算した場合、年間収入は960万円となり、利回りは9.6%と導きだすことができます。

実質利回り

アパート経営で必要な経費を年間収入から差し引いて計算するので、より正確な収益力を知りたいときに利用します。

実質利回り=(年間収入-年間支出)÷購入価格×100

想定利回り

経営しているアパートが全室満室になったと仮定して試算します。アパート購入の際に不動産会社の提示する物件情報などに記載されている利回りは、想定利回りの場合が多いです。中には、家賃設定も物件内の最高額で計算されているケースもあるので注意しましょう。

想定利回り=年間収入÷購入価格×100

このように利回りを試算してみて高い数値を導き出せたとしても、実際には入居する人がいなければ収益を上げることは不可能になってしまいます。地域の特性や人気の間取りなどをしっかりと研究し、導き出した利回りを維持できるようにすることが大切です。

・収入は家賃や駐車場代のみ
・地域や間取りによって違う
・利回りの試算が大切

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2.アパート経営で必要な経費とは?

アパート経営では、家賃で得られる収入からさまざまな経費が差し引かれます。当然、収入よりも経費のほうがかさんでしまえば赤字となってしまうわけです。そうならないためにも、どのような経費がどの程度必要になってくるのかを、しっかりと理解しておくことが大切です。

2.1建物管理費

建物を維持するための費用で、水道管などの配管維持や交換費用、外壁塗装費用、屋根のメンテナンス費用などが挙げられます。また、ガス給湯器やエアコン、システムキッチンなどの設備の交換なども含まれます。経年劣化による建物の傷みや設備の故障、老朽化が原因でかかる費用が多いので、建物が新築の場合は、あまり経費がかさむことはありません。
目に見える形で傷みや故障が次々に顕在化してきてしまうと、高額な費用が必要になってきます。また、大規模なリフォーム修繕が必要となった場合は、数百万円単位で必要となるケースがあるので、事前に準備したり、こまめなメンテナンスを行って少額の出費になるよう配慮することが必要です。

2.2賃貸管理費

入居者とのやりとりを不動産会社に依頼する場合に必要な費用となります。入居者とのやりとりには、契約や家賃の集金、問い合わせ窓口としての対応などが挙げられます。
不動産会社に依頼せずに、入居者とのやりとりを自分で行う場合には不要な費用になりますが、普段はサラリーマンをしていて副業としてアパート経営をしている場合や、自宅からアパートまでは遠い場合などは不動産会社に依頼するとよいでしょう。

2.3税金関係

マイホーム購入と同様に、アパート経営の場合も所有している不動産に対し、固定資産税や都市計画税などが課せられます。また、家賃収入から必要経費を差し引いた額に対して所得税や住民税も課せられます。消費税に関しては、居住用として賃貸経営している場合は課せられませんが、店舗や業務用物件として賃貸する場合は消費税も課せられるので注意しましょう。
アパート経営をするための不動産を購入した際に必要な登録免許税や不動産取得税など、税金関係にはさまざまな種類のものが該当するのできちんと理解し、納付漏れのないようにしましょう。

2.4その他の費用

経営しているアパートまでの交通費や駐車場代、業務を委託している不動産会社や税理士との交際費、所有しているアパートが加入している保険料なども必要経費と考えます。
私用した分については経費として計上できないので、アパート経営で使用した経費と私用で使った分がしっかりと明確に分かるように記録しておくことが大切です。徹底して行うことで、アパート経営に必要な経費をより正確に把握することができます。

・建物維持に費用が必要
・業務委託すると別途必要
・税金での出費が多い

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3.アパート経営の確定申告について

アパート経営では家賃という収入を得ることになりますが、確定申告は必要になるのでしょうか。確定申告が必要なケースと、課せられる税金など、アパート経営を行っていく上で知っておくべき確定申告について知識を深めておきましょう。

3.1所得が発生したら確定申告が必要

アパート経営では家賃収入が見込めますが、収入と所得は異なることに注意が必要です。収入とは、家賃や駐車場代などの売上のことを指します。最近では主流となりつつある太陽光発電での売電も収入の一つになります。

所得とは

所得とは収入から必要経費を差し引いたものになります。アパート経営によって所得が発生する場合には確定申告が必要になってくるのです。ただし、給与所得を得ているサラリーマンの場合、アパート経営による年間所得が20万円以下の場合は、確定申告は必要ありません。
所得は税務上10種類に分類されており、それぞれの所得を損益通算した合計額に対して所得税が課せられます。つまり、給与所得などを得ているサラリーマンなどの場合、アパート経営の所得と合算した額に所得税が課せられるというわけです。

節税のメリット

アパート経営ではたとえ家賃収入があっても必要経費がかさみ、赤字経営になってしまうことも少なくありません。アパート経営による不動産所得がマイナスであっても、給与所得などと相殺してその分の税金の還付を受けることも可能になるため、節税のメリットがあります。

3.2節税効果が望める青色申告がおすすめ

確定申告には青色申告と白色申告がありますが、主な違いは所得が300万円以下で記帳の義務がないものが白色申告、全ての場合に記帳の義務があり一定の帳簿を備える必要がある青色申告となります。
賃貸経営しているアパートが5棟または10室の場合は、事業的規模となり、さまざまな控除が受けられる青色申告が有利です。青色申告では記帳の義務がありますが、アパート経営での記帳は非常にシンプルなので、専門ソフトなどを活用すれば専門知識がなくても簡単に帳簿作成を行うことができ、税理士に依頼する必要性も低くなります。

・所得があれば必要
・青色申告がおすすめ
・節税効果も期待できる

4.考えられるリスクと回避方法

アパート経営は土地活用方法として知られていますが、リスクが高いと思っている人も多いです。アパート経営を成功させるには、考えられるリスクをしっかりと理解し、人任せにせずにしっかりと回避対策をすることが大切です。

4.1空室のリスク

経営しているアパートが空室になることは、収入に大きな影響を与えることから最も重要なリスクと考えましょう。空室になってしまう原因として考えられるのは、賃料が高い、周辺環境がよくない、地域に人口が減少している、建物設備のニーズが合わないといったことが考えられます。

賃料の設定は重要

適正な賃料を設定するためにも周辺相場を知っておくことは大切です。地域に密着した不動産会社に相談するなどして回避することができます。
また所有しているアパートで暮らした場合、便利な生活を送ることができるかどうか客観的な立場で見てみることもおすすめです。スーパーやコンビニ、病院や学校などが近くにあるかチェックしてみるとよいでしょう。

ニーズを知り賃料を設定

建物設備も、現代の居住者のニーズに合致したものでなければ、入居者は不便を感じてしまいます。単身者のための宅配ボックスや防犯カメラ、24時間ゴミ出し可能な仕組みなども考えられますが、アパートの間取りがファミリー向けのものであれば、子供のためのスペースやバーベキュー場の完備なども、受け入れてもらいやすい設備になります。
ニーズに合致していれば少し賃料が高くても満室経営が期待できます。特に女性に優しい設備に意識して整備するとよいでしょう。

4.2ローンや物件価格などの資金に関するリスク

アパート経営において、賃料を滞納されることはとても大きな痛手となります。あらかじめ入居者のことを精査しておくことが大切です。もし滞納されるようなことがあれば、収入にも関わってくることなので、きちんと連絡を取ったり督促状を送るなどして対応するようにしましょう。家賃保証会社を付けておくとより安心です。

4.3事故や災害などの外的要因によるリスク

自然災害の被害に遭ってしまった場合、家賃収入を得ることができなくなるので、大きなリスクになりますが、リスク分散することで、収入が途絶えることを回避することができます。
まずは経営しているアパートでしっかりと保険に加入することが大切です。それでもリスク分散に重きを置く場合は、区分のワンルームマンションなどを所有しておくと安心です。被害に遭ったアパートの修繕を、区分のワンルームマンションの収入で補うことも可能になります。
経営するアパートを立地から選ぶのであれば、地盤が安定している、水害被害の少ないエリアなどで選び、災害リスクを最小限に抑えておくことも重要です。

・空室にならない配慮
・家賃はきちんと徴収
・災害への備えを考慮

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5.賃貸経営の全てを任せられる「賃貸経営受託システム」

賃貸経営受託システムとは一体どのような仕組みなのでしょうか。仕組みをしっかりと理解し、メリット・デメリットを把握しておきましょう。

5.1賃貸経営受託システムとは?

賃貸経営受託システムは、経営するアパートを建築後に一括借り上げて、土地オーナーに一定金額を借上賃料として支払う仕組みのことをいいます。入居者の募集から契約、クレーム処理、建物の保全管理維持などまで行ってくれるところもあります。
たとえば、1棟の満室時に得られる家賃収入が100万円で、一括借上では賃料の80%が保証されていた場合、土地オーナーは常に80万円の収入を安定して受け取ることができます。サブリースとも呼ばれる一括借上では、安定した収入を得ることができるシステムといえます。

5.2メリットとデメリット

賃貸経営受託システムのメリットは、空室リスクがない点といえます。一括借上のシステムを活用していれば、満室ではなかったとしても一定の家賃収入を得られることができます。空室のリスクはアパート経営する上で回避策を考えておかなければならないものの一つです。安心してアパート経営できる点が大きなメリットといえます。
デメリットとしては、管理会社選びが難しい点といえるでしょう。管理会社によって、入居者の募集や契約など全てを行ってくれるところから、業務が限定されるところまでさまざまあります。
また管理会社との契約内容によっては、家賃の見直しが数年ごとに行われるところもあります。その際、家賃が引き下げられる可能性もあるので、周辺の家賃相場や、建物維持などをしっかりと行い対処することが大切です。

・安定した家賃収入
・空室リスクを回避
・管理会社によって異なる

6.アパート経営では不動産会社が強い味方

アパート経営ではオーナーがしっかりと知識を持って進めていくことが大切です。しかし不動産に関する知識はとても専門的。迷ったり困ったときには不動産会社に相談するなどして対応することが大切です。
その際の不動産会社選びもとても重要です。経営しているアパートを売却する際にも、複数の不動産会社に見積もり依頼をすることが大切です。不動産会社には、大手の会社から地域密着型の会社まで、さまざまなところがあるので、しっかりと対応してくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。