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賃貸マンション経営は難しくないのか|法人化経営との違いを知る

毎日会社に行って、決まった仕事を繰り返すのが当たり前だと考える人にとって「経営」は全く違う世界の話のように感じるかもしれません。経営の根幹は、収入を得るために必要な物資や条件を資金を投下して整え、需要のある人々に提供することです。

そうすると所有するマンションを、必要な人に賃貸することで家賃収入を得ることは立派な「経営」で1つの「事業」といえます。

ただ、会社でも営業や総務・経理、広告宣伝など専門的な業務がありますが、個人事業ではそれらを「自分が中心となって」取り組まねばなりません。確かに簡単なことではありませんが、多くの不動産経営者がいることを考えるとそこまで難しいことではないはずです。まずは賃貸マンション経営のしくみについて探ってみましょう。

賃貸マンション経営のしくみ

賃貸マンション経営は、不動産を借り手に貸して家賃を受け取る「不動産経営」の1つです。サラリーマンのように決まった時間に会社で必要な仕事をすることで給料をもらうものではなく、仕事そのものを自分の手で手に入れ、流れを組み立てなくてはなりません。これはまさに「事業」。賃貸マンション経営をするということは、あなたが事業の責任者、役割は会社の社長と同じということです。

賃貸マンション経営は、提供するマンションがなくては始まりません。まずはマンションを手に入れることから考えてみましょう。

賃貸するマンションを手に入れる

マンションを賃貸にするまでの経緯はさまざまです。転勤や離婚などの事情から今まで住んでいた分譲マンションに住まなくなったり、あるいは親族の遺産として相続したり、中には賃貸マンション経営をするために物件を探し、アパートローンなどの事業融資でという場合もあります。

賃貸物件としてのマンションの状態を改善する

どんな事情であれマンションを「賃貸として提供する」ことには違いはありません。提供してできるだけたくさんの収入を得られるような便利な立地や使い勝手のよいマンションが適しています。

しかし、賃貸すると決めたとき、物件としての状態はあまりよいものではないかもしれません。そんなときは専門業者に依頼してハウスクリーニングしたり、古くなったエアコンやキッチン・浴室設備を交換・補修するなどしてできるだけ魅力ある物件にしましょう。そうしておけばある程度高めの家賃でも借り手が現れ、それだけ収入を手にしやすくなります。

不動産賃貸の頼れるプロ「不動産業者」の力を借りる

とはいえ、所有者が感じる不具合をただ補修すればいいというわけではありません。人によって「住居」に求める価値は違いますし、その重要ポイントを誤ればムダな出費になりかねません。そこで利用したいのが、不動産賃貸の専門家「不動産業者」のノウハウです。

優秀な不動産業者は、顧客のニーズや市場の流れ・変化を知っており、それに適した物件づくりや広告宣伝方法といったノウハウを幅広く持っています。彼らにとってはそれこそが「メシのタネ」だからです。不動産業者はそのノウハウを使って賃貸契約を仲介し、手数料を得ることで成り立っているため、今から賃貸マンション経営をしようとする人はまさに「ビジネスの重要なパートナー」、同じ目標に向かう同士ともいえます。

入居者と賃貸契約する

ほとんどの場合、不動産業者の仲介で借り手を見つけ、入居者として賃貸契約することになるでしょう。しかし、この「賃貸契約」は宅地建物取引に含まれ、さまざまなトラブルを防ぐ意味でたくさんの制限や義務があり、そこでの間違いが後々大きな問題になることもあります。そのため仲介には「宅地建物取引士」の資格が必要、すなわちここでも不動産業者の力が必要になります。

賃貸契約の条件を決める

また、それ以前に、どの程度の家賃を設定するか、家賃の回収の心配や周辺住民とトラブルなく賃貸するために借り手に制限を設けるかどうかなど賃貸のためのさまざまな条件を決めたり、どのように広告展開するかといったことも必要ですが、それも不動産業者のノウハウが活きてきます。

所有者が入居を「許可する」ことで契約が成立する

入居者は入居を希望することができますが、所有者はそれを「許可する」ことで賃貸契約が成立するため、逆に「許可しない」ことで入居を断ることもできます。地域や事情によっては入居希望者について問題がないか調査することもあります。万が一でもトラブルを起こしたり、家賃の支払いが滞ってしまうことのないような措置も、健全な経営には必要です。

入居期間は物件の管理が必要

マンションを売却するなら売却し代金を回収した時点で手続きはほぼ完了ですが、賃貸の場合は入居している、つまり、「マンションを賃貸として提供している」期間は、入居者に対してマンションの状態や条件を整えなくてはなりません。それは、壁や床の状態から設備の動作、エントランスや廊下などの清掃状態などさまざまな分野に及びます。

管理は24時間365日求められる

不動産賃貸の場合、所有者は遠方に住んでいることもよくあります。そうすると、賃貸物件の状態を直接管理することが難しくなり、総じて「サービス」が低下しそれが原因で入居者が退去してしまうこともあります。入居者はマンションを24時間365日利用しているため、苦情や改善依頼はいつどのように来るかわかりません。遠方に住んでいれば交通費だけでも大きな出費になる可能性もあるのです。

そのため、物件の管理全般を専門の管理会社や仲介した不動産業者に委託するのが一般的です。毎月一定の管理手数料がかかりますが、それによって24時間365日対応してくれると考えると効率がよいかもしれません。

物件の状態の責任は原則所有者にある

マンションも「物体」である以上、時間の経過とともに劣化する部分が出てきます。エレベーターや階段・廊下などの共用部分ならマンションの管理組合が改修しますが、その部屋でしか使わない専有部分や専用権のある部分については所有者が責任を持って改修しその費用は所有者が支払うことになります。

水回りの配管やキッチン周りは、トラブルになると入居者だけでなく階下の住居やマンション全体に被害が及ぶこともあります。大きなトラブルになる前に専門家による定期的な点検をしておくと安心ですが、これにも費用がかかります。

入居者が退去したら次の入居者を募集する

賃貸経営は入居者がいて初めて収入を得られます。しかし、入居者からしてみれば、賃貸マンションは事情に見合う場合にだけ契約できるため事情が変われば退去します。退去は事前の申し出が一般的ですが、空き家の期間はできるだけゼロに近づけたいのが本音です。それだけ収入を得られない、費用だけがかかる期間ができてしまうからです。

不動産業者に入居者募集を依頼する

もともと賃貸物件の管理も委託していれば、再度入居者募集の依頼もしやすいでしょう。最初の募集と同じように広告活動し、契約の前に必要な調査などをこなし契約成立まで任せることもできます。無事入居者が決まればその際に手数料を支払います。

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以前の入居者の生活跡を取り除く

前入居者が退去する際は、物件の傷みを確認します。入居したときと比べ、明らかに傷みの激しい部分は前入居者に原状回復の費用を負担してもらうこともありますが、ほとんどは経年劣化ほどの仕方ない傷みで、改修する費用は所有者が負担します。中には物件の部分によって費用負担の基準を契約書に盛り込む場合もあるようです。

これは、新入居者への大切なサービスでもあります。いくら築年数の古い物件でも、前入居者の生活の跡が残っていたら気持ちよく暮らすことはできないからです。

{
・賃貸契約は「継続契約」
・物件状態の責任は所有者に
・不動産業者の力を借りる
}

賃貸マンション経営のメリットとデメリット

企業の仕事に比べると、勤務時間の制限がない、特に労働によって収入を得るわけではないなど、どこか「楽な仕事」と感じるかもしれませんが、賃貸マンション経営には相応のリスクがあり、会社などの事業と同じように、そのリスクとどう向き合うかが安定した経営のカギになります。ここでは賃貸マンション経営の代表的なメリットとデメリットを紹介し、注意すべきポイントを考えます。

賃貸マンション経営のメリット

賃貸マンションに限らず不動産賃貸経営は、サラリーマンには考えられないメリットがあります。このメリットについて詳しく紹介しましょう。

不労所得が得られる

不労所得とは「労働の必要がなく得られる所得」のことで、賃貸マンション経営は管理を委託すればしなくてはならない仕事はほとんどなくなります。もちろん所有者として税金や管理費など必要経費は支払いますが、それらは家賃収入の中から支払われますから手持ちの資金から出すことはあまりありません。

それどころか差し引いて残った現金を得られるため、まさに「労働なき収入」。サラリーマンがうらやむのも納得できます。逆に言えば「実業務に携わらなくても収入を得る手段」ですから、サラリーマンが副業としてマンションを購入し、賃貸物件として経営する場合もあります。

以前アメリカの著名な不動産投資化による著書がベストセラーになって以来、不動産投資や不動産経営への関心は高まり続けています。

中には複数の物件を賃貸してよりリスクを分散し安定して経営し、総融資額は数億円でその代わりに得られる収入も数千万円という人もいます。賃貸マンション経営も仕組みをきちんと理解し、専門家など周囲の協力を得ることで大きな業績を作ることができるのです。

節税効果がある

もし、以前住んでいたマンションを賃貸にすると、以前は支払うだけだった固定資産税や都市計画税は、賃貸経営の中では「必要経費」となり収入から差し引くことができます。また、賃貸として提供しているマンションは「事業用」と考えられ、賃貸としたときの価値と費用を「減価償却費」として計上することができさらに所得を減額することができます。

減価償却費は、劣化する償却資産を決められた期間毎年一定の「価値の低下」分を費用として計上する考え方です。ただ住んでいただけでは決して費用計上することはなく、また、減価償却費は所有者が誰かへ支払うものではなく、実際にはマンションを購入する際に支払ってしまっているものです。

また、支払っているローンの金利分や保険料も経費として計上すれば、以前は支払うだけだった出費が所得税節約に活かせるのです。

賃貸マンションのデメリット

これだけ魅力ある賃貸マンション経営は、相応のデメリットもあるはずです。その多くはいわゆる「経営リスク」で、デメリットをなくすというより「どれだけ軽減できるか」が重要です。

家賃滞納や空室リスク

最も起こりやすく大きなリスクは「収入が得られなくなるリスク」です。賃貸マンションはたった1人の入居者がいるだけで成り立ちますが、逆に入居者がいなければ税金も改修費用も手持ち資金から支出しなくてはなりません。そしてそれは「家賃滞納」と「空室」によって簡単に起こります。

日本の法律では、所有者より借家人の方が優遇されるようにできています。確かに人間にとって雨風のしのげる「住処」は生活の基盤でなくてはならないものため、仕方ないですが、家賃を長期にわたって滞納しても退去させることは容易ではありません。

対策として、入居の際に身元や勤務先企業の安定性などを審査するなどがありますが、ある程度の出費を覚悟しなくてはなりません。

また、円満退去したとしても次の入居者がなかなか決まらなければやはり収入はありません。空室リスクを避けるには、マンションの利便性や立地条件、物件の状態など「借り手にとってのメリットの高い物件であること」が必須です。今から賃貸するマンションを買うなら、後から変更できない利便性や立地についても厳しく審査したいものです。

回避が難しい災害リスクは保険でカバー

最近は立て続けに大きな災害が日本を襲っています。以前ならなかったような災害が各地で起き、住宅を含め多くの建物も被害に見舞われ、中には住処を失う人もあります。災害は人間の手で防ぐことはできないため、万が一の被害に備え手厚い保険をかけておきましょう。

保険は大手各社においてもさまざまなタイプが発売されています。立地条件や物件の状態、賃貸のパターンなど主だった要素に適した保険を調査しましょう。できれば複数の保険会社に見積もりを依頼し、それぞれのメリットやデメリットも加味して加入する保険を決めたいところです。

老朽化しても建て直しは難しい

マンションは分譲されていても「集合住宅」です。専有部分はありますが多くが共用部分であり、所有者が必要だからといってそれだけで建て直すことはできません。耐震構造が弱くその対策として建て直しが必要と考えられるマンションでも、他の住人の同意が得られないことも多く難航する場合がほとんどです。

しかし、賃貸としてマンションを提供すると、物件としての優劣は共用部分の評価も含まれます。1人の区分所有者だけではどうしようもない部分のせいで賃貸経営が難しくなる場合もあるのです。

{
・不労所得と節税効果
・収入がゼロになるリスク
・老朽化しても立て直せない
}

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法人による賃貸マンション経営

多くの事業は「個人経営」「法人経営」の両方での経営が可能です。重要なのは経営実態にどちらが見合うかということであり、どちらにもメリットとデメリットがあります。賃貸マンション経営は個人経営の場合が多いのですが、ここでは法人経営のメリット・デメリットを考えてみましょう。

法人経営のメリット

法人とは「法律上人格を認められ、法律行為を有効する、権利・義務の主体となりうる資格を与えられたもの」をいい、それは税務・会計上にも当てはまります。

所得税が節税できる

個人経営でマンションを賃貸すると、仮に家賃収入が2,000万円で必要経費が800万円とすると残りの1,200万円は不動産所得となり所得税の課税対象になります。しかし法人の場合残りの1,200万円を社長の役員報酬として支給すると会社の所得はゼロとなり法人税は課税されません。

近年会社にかかる法人税は優遇され、個人の所得税は増税方向にあります。法人・個人のそれぞれの場合の所得と所得税を比較し、概ね1,000万円以上の所得がある場合は法人経営も検討しましょう。

経費化の選択肢が増える

法人ではさまざまな税金対策ができます。例えば役員の定期保険や医療保険を会社で加入したり、倒産防止共済(掛金は全額経費ですが40カ月以上加入すれば全額戻る)の加入による費用化はその一例です。

ただこれらの保険の活用は原則課税の繰り延べのため、後々保険金が入れば会社の収益となってしまいます。他の大きな費用形状のタイミングに合わせて解約するなど工夫が必要です。

入居者から信頼を得やすい

個人であれば「大家さん」ですが法人であれば「社長」となり、いわば一国一城の主です。法人化すると一般に金融機関や取引先への信用は上がり、入居者にとっても安心できる要件となります。

以前は資本金や発起人の人数など制限がありましたが、平成18年の新会社法施行により設立費用が抑えられるようになりました。そのため賃貸マンション経営も法人経営にすることが容易になり実際に法人化する経営者も増えています。

法人経営のデメリット

では一方のデメリットを挙げてみましょう。主に費用面にデメリットがあり、どれも「法人化」そのものに必要なため避けることができません。

法人設立費用がかかる

新会社法により資本金の制限は抑えられましたが、他にも法人設立にはかかる費用があります。代表的なのは、会社の目的や商号・本店所在地などを記載した「定款」の作成費用、定款を公証人役場で認証するために手数料、さらに、その後に設立登記するための費用、資本金の額に応じた登録免許税やそれらを手続きする司法書士への報酬などです。

司法書士への報酬は株式会社で25万円から30万円程度、合同会社では10万円から15万円程度ですが、個人経営の場合は税務等への事業開始届出だけ、手間も費用もかなりかかることがわかります。

運営費用が増える

個人でも法人でも事業であることは同じなため、税務署へ届ける帳簿の作成が必要です。申告形式は白色申告と青色申告がありますが、個人はどちらでも選ぶことができる反面、法人では事業規模によって青色申告しなくてはならない場合があります。

また法人では必要な帳簿の記載事項が多く、その帳簿の内容も個人より詳細なものが求められます。そのため法人ではそれに対応するため税理士を利用するなど費用が増えることも多くなります。

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不動産取得税などの負担がある

新たに法人を設立して、今ある個人所有のマンションを法人のものにするときは、不動産取得税や所有権移転登記の際の登録免許税がかかります。法人が賃貸マンション経営するには、法人の持ち物である必要があるからです。

{
・経費化しやすく節税できる
・経営について信用が増す
・設立・運営に費用がかかる
}

賃貸マンション経営はリスクと収支バランスが重要

一般に不労所得である賃貸マンション経営は「楽な仕事」と考えられていますが、労働なく収入が得られる反面スムーズな経営にはかかる経費も多く、それらの1つ1つについて慎重に吟味する必要があります。収入の合計から費用の合計を差し引いた「不動産所得」には所得税が課税されることになります。

個人経営であればただの不動産所得でも、法人経営にするとさまざまな経費化の手段があるためより節税できます。法人設立には費用もかかりますが、ある程度の所得になれば法人化した方がお得になる場合もあります

経営は収入とリスク回避の経費と必要経費のバランスが、個人経営か法人化かは経営規模と所得税額のバランスが重要です。今まで通りの経営だけでなく、法人化するとどうなるかを具体的に検討し予想される結果を把握しておくことは、きっと、今後の状況の変化に対処する際のカギとなるでしょう。

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