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土地の所有権の法的意味を理解しよう|登記手続きを正しくすませる

土地および建物の売買において意識することになる所有権。そのままにしておいても特に問題はありませんが、相続や売却などで所有権を移転する必要が出てきた場合、具体的な手続きがわからずに戸惑ってしまうケースがあります。

法的手続きの中には期限が決まっているものもありますので、この記事をきっかけに所有権の意味について詳しく把握し、法的な処理方法について押さえておきましょう。

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所有権以外に把握しておくべき土地の権利

日本では、登記手続きによって土地の名義を変更することは、この土地の所有者が以前の状態ではないことを公に証明することを意味します。

本来であれば、土地所有者が変更された時点で迅速に所有権移転登記を進める必要がありますが、法的なプロセスに精通していない一般の人にとっては登記の具体的なプロセスがわかりにくく、時間がかかりそうだからとついつい先延ばしにしてしまっているケースがあります。

個人のレベルで土地の所有者を変更する必要があるシチュエーションとしては、相続、不動産の売却、離婚にともなう財産分与などが含まれ、それぞれのシチュエーションごとに必要書類が変わるため注意が必要です。

土地の名義変更は法的にも厳格性が問われる手続きであるため、個人レベルでもある程度の専門知識を事前に得ておくことが重要です。

所有権と並んで、借地権もまた土地取引において意識すべき要素となります。借地権は、土地を所有している人、および不動産管理者にとって無視できない権利のひとつです。借地権とは、第三者の土地を借りて、その土地に自分の家または建物を建てるために必要な権利です。借地権を有する土地に建てられた建物の場合、土地は家主に属しますが、建物は住む人のものになります。

戦前の日本では、土地の所有権に関与しない傾向があったと言われており、戦後の混乱期には、都市への人口流入による住宅需要の増加を背景に、借り手の権利保護の必要が出てきました。しかし、戦後混乱期から高度成長期にかけて土地の価格が上昇すると、戦前に安価に土地を貸していた土地所有者は借り手の権利が強める方向の法整備に不満を募らせていった、という歴史的経緯があります。

不動産の管理者として覚えておきたいことは、「借地権も相続の対象である」ということです。借地権の相続は原則として、管理者の同意なしに進めることができます。ただし、単純な相続ではなく、テナントなどに借地権が付加されている場合、所有者の同意がなければ登記手続きを進めることができません。また、土地所有者が死亡しても、相続人の借地権が消えることはありません。

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土地の所有権と借地権の違い

土地に付加される権利には、所有権と借地権があります。普段はあまり意識する機会がないかもしれませんが、土地および建物の取引の際にはどちらを選んでいるかによって手続きの内容が変わってくるため、土地を入手した時点から土地の権利についてきちんと把握しておく必要があります。

なぜ所有権と借地権があるのか

ここで、借地権と所有権の間にどのような違いがあるのか見てみましょう。土地取得のコストの面では、借地権付き不動産の場合、担保金、利子、更新手数料などを管理者に別途納付することがあり、第三者から借りた土地に建物を建てる際、建て替えの際には管理者にあらためて権利料を支払うことになります。これに加えて、土地を借りるためには月々の家賃を支払わなければなりません。

一方、所有権の場合、これらの費用は必要なく、固定資産税および都市計画税などがおもなランニングコストとなります。資産価値は所有権よりも低くなる傾向があり、所有価格の60%から70%が実際の価値として評価されます。

所有権を選ぶメリット

所有権は借地権よりも土地評価が高い傾向があります。所有権のほうを選択するメリットとしては第一に、「ランニングコストの安さ」が挙げられます。

また、売買、建て替え、相続など利用の自由度が高く、管理者に手数料などの費用を別途支払う必要もありません。対する借地権付き不動産物件では更新料の支払いがあり、契約更新時に管理者側との問題が発生する可能性があります。このような問題は所有権にはありません。

また、住宅ローン申請時にも土地評価が高いため、審査が通過しやすい可能性が高くなり、資産価値の面で考えてもメリットがあると言えます。

それぞれのメリットを考えよう

新しい家を建てるときは土地探しから始まることがよくありますが、その土地の権利と経費について具体的にシミュレーションしておくことは非常に重要です。

借地権付き不動産物件の場合は将来的に予期せぬ費用がかかる可能性があり、管理者との関係によって問題が生じるリスクがあります。借地権と所有権にはそれぞれにメリットとデメリットが存在するので、土地を入手する際にどちらが得策かを考えましょう。

{
・所有権ならコストが安い
・借地権は売りにくい
・どちらもメリット有
}

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土地の借地権の法的意味と注意点

所有権と同様に法的に重要な意味をもつ借地権。所有権と対比されることの多い借地権ですが、両者の違いについて正確に理解している人は実際に土地を持っている方の中でも意外と少ないかもしれません。借地権そのものの意味と種類、借地権付き不動産物件を契約する際のメリットについて押さえておきましょう。

借地権

一般的な意味で理解されている借地権には、大きく分けて2種類があります。法的には、平成4年の8月1日以降に発生した権利を「新借地権」、それ以前の特に戦前戦後にかけて付加されていたものを「旧借地権」と呼んで区別しています。

新借地権においては、権利の存続期間は発生時点から30年とされています。ただ、それ以上の期間が経過したとしても権利者本人が希望し、必要な手続きをすませることによって期間を延長することができます。

新借地権による契約も増えてきてはいますが、現在もなお旧借地権に則った借地契約が主流になっており、この状況は今後も継続すると見られています。

定期借地権

土地を借りられる期限が理論上定められていない普通借地権に対し、現在の日本国内で主流になっているのが定期借地権による契約です。言葉の通り土地を貸し付ける期間があらかじめ定められている借地契約を意味し、土地を借り入れる側は期限が過ぎた時点で土地および建物をもともとの所有権に返還しなくてはなりません。

シンプルな定期借地権契約(一般定期借地権)では最長で50年以上を存続期間として設定することができますが、期間満了後は土地を返還する義務があることに変わりはありません。定期借地権のバリエーションとしては他に、建物譲渡特約付定期借地権、事業用定期借地権があります。

建物譲渡特約付定期借地権の場合、満了期間は30年と定められており、それ以降は地主が建物を買い取り、再利用をするという契約になっています。事業用定期借地権では満了期間を10年以上50年未満の間で設定し、期間満了後は借主側の負担で土地を更地に戻し、本来の所有者に返還することが義務づけられています。

借地権付き不動産物件のメリット

借地権付き不動産物件のメリットはランニングコストの安さです。特に繁華街の場合には坪単価が高いため、所有権ごと土地を取得するコストは非常に高くなります。

一方、借地権を有する建物であれば、土地購入費用の約60〜80%の価格で販売されているため、同じエリアであっても所有権と比較して相当の価格差があります。土地の購入時には毎年固定資産税と都市計画税も課税されますが、借地権の場合、これらの税金は課税されません。

借地権のある建物では、第三者の土地に建物が建てられることになるため、銀行の担保評価は所有権に比べて低くなる傾向があり、場合によっては融資が受けにくくなることがあります。

特に、定期借地権の場合、建物が解体され土地が更地に戻されることが想定されるため、不動産物件を担保として銀行から住宅ローンを借りることは不可能とされていましたが、定期借地権を受け入れる住宅ローンも増えつつあり、また、旧借地権の場合、借地権の満了期間が長く設定されているため、むしろ融資を受けやすくなる可能性があります。

ビジネス目的で借地権付きの建物を購入する場合は、減価償却費の計算に注意する必要があります。土地所有の場合、土地部分の価格を購入価格から差し引いた残りが建物価格となり、減価償却はその金額に基づいて行われます。逆に、借地権を有する建物の場合、土地は借りているだけなので、すべての購入金額は建物価格として減価償却される可能性があります。

{
・定期借地権には期間有
・種類は5つある
・契約時に要確認
}

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所有権移転登記手続きが必要になるパターン

一般の方にとっては、「土地の所有権移転手続きは当面関係ない」と思われるかもしれませんが、ライフイベントのなかで所有権移転手続きの必要性に迫られるシチュエーションは意外と多いものです。いざという時に混乱しないためにも、所有権の移転が必要になる場面について具体的に把握しておきましょう。

相続

プロの投資家以外で人生のうちで土地の登記を行う機会があるとすれば、相続ではないでしょうか。両親や親族から土地や建物を相続した場合、必ずしも所有権を変更する必要はありませんが、所有権を移さずに放置しているといざ不動産物件を売却しようと考えた場合に、書類の収集などが煩雑になってしまう可能性がありますので、できれば相続が発生した時点ですみやかに所有権移転登記をすませておくのが得策と言えます。

離婚による財産分与

マイホームを所有している夫婦の場合、離婚による財産分与においても物件の所有権を処理しておく必要があります。

特に、住宅ローンがまだ残っている場合、「ローンの残高を夫婦のどちらが支払うか」という問題が生じますので、財産分与の段階でローンの支払状況を整理し、後々までトラブルが残らないように配慮する必要があります。

住宅ローンに関しては基本的に、離婚後の生活において所得がより安定しているほうが返済責任を負うというルールがあるため、離婚に先立って夫婦のどちらが安定した経済力を有しているかが厳密に審査されます。

シンプルなのは単一名義ですが、夫や妻のどちらであれ、返済能力さえあれば特に問題はなく、離婚後も継続して収入が保証されるほうが弁済者となります。一方、共同名義の場合、離婚後の収入が保証されているほうの返済責任が重くなるというのが現実的なケースとなります。

離婚という理由だけで住宅ローンの返済が免除されるわけではありませんので、「不動産の所有者が返済義務を負う」という原則に基づき、離婚後の経済力についても厳密にシミュレーションする必要があります。

さらに、離婚時に注意すべきことは、協議の内容を公的文書として記録しなければならないということです。住宅ローンの返済義務について公正証書というかたちで保管しておくことによって後々のトラブルを防ぐ効果があり、法的拘束力をもつため、双方にとっての安心材料になります。

公証証書は法的に違反していないかぎり遵守義務があり、不履行の場合は強制執行の対象となりますので注意しましょう。

離婚時の協議内容を公正証書のかたちで適切に保管することにより、住宅ローンにかぎらず、養育費などの支払い条件が法律上明確になるため、訴訟の際にも大きな武器になります。住宅ローンの名義のパターンは以下の通りです。

  • 共同名義
  • 夫名義
  • 妻名義
  • 所有者と弁済者が違う

{
・相続時は所有権を把握
・離婚時はローン名義に注意
・名義変更は迅速に
}

所有権移転手続きは法的義務ではない

相続などで土地や不動産物件を譲渡されたからといって、ただちに所有権を移転する義務はありません。ただし、所有権移転登記手続きを長期間にわたって怠っていると不動産の売却や譲渡などの場面で不都合が生じる可能性がありますので、相続や財産分与の際には面倒でも所有権を一緒に移転しておくとその後の手続きをスムーズに進めることができます。

所有権移転手続きについても不動産業者に相談

所有権移転登記などの公的な手続きについてわからないことがあれば、不動産業者に相談することですぐに解決することができます。また、一連の手続きは司法書士や行政書士、弁護士などの専門家に委託することができますので、トータルコストをシミュレーションしたうえで、メリットの大きいパターンを選択しましょう。

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