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マンションの耐用年数はどれくらい?|それが過ぎたらどうなるのか

近年、大きな問題になり始めているのが、マンションの耐用年数についてです。高度経済成長期からバブル期にかけて、建設された多くのマンションが、寿命を迎えて建て替え問題に直面しています。耐震性などの問題から建て替えが必要でも、居住者に数千万円単位の負担を強いることもあり、なかなか建て替えが進まないことが現実です。

もしも終の棲家と思って購入したはずのマンションに、建て替えの話が出たとしたら、あなたはどうしますか?この記事では、マンションの耐用年数や、寿命を迎えたマンションはどうなるのかということについて、見ていきましょう。

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法定耐用年数・実耐用年数・減価償却とはどういうことか

まずは、耐用年数ということを考えるときに、よく出てくる3つの言葉の意味について整理しておきましょう。耐用年数を考えるときには、法定耐用年数と実際の耐用年数、減価償却ということを考えなくてなりません。この3つの意味がごちゃごちゃになると、混乱してしまうのでまずは意味をそれぞれ整理しましょう。

減価償却と法定耐用年数について

まずは、減価償却と法定耐用年数についてみていきましょう。減価償却と法定耐用年数は、実際の建物の強度というよりも、会計や納税等の建物を、金銭に換算して考えるときに使われる概念です。したがって、実際の建物の耐用年数とは、乖離があるということを覚えておきましょう。

建物や機械など、長い年数使い続けるものは、購入するときに多額の出費が必要になるものが大半です。そして、一度購入してしまえば数年間、場合によってはメンテナンス代だけで、数十年も使い続けることができます。こうした不動産や設備などを、購入した年の会計で、経費として一度に計上してしまうのではなく、分割して1年ずつ計上していくことを「減価償却費」と言います。

法定耐用年数というのは、法人税などを計算するうえで、統一した基準で減価償却の計算を行うことができるように、不動産や設備といった資産の種類、構造、用途によって、法律で規定されている耐用年数のことです。マンションの場合には、投資用マンションを持っている人が確定申告を行う際に、減価償却や法定耐用年数を計算する必要がありますが、個人用住宅では必要ありません。

実際の耐用年数はどのように決まるのか

法定耐用年数というものは、あくまでも法律で画一的に定められている基準です。実際の耐久性は、それぞれの物件ごとによって変わってきます。自宅用として使っているマンションの場合には、法定耐用年数ではなく、実際の耐用年数による建て替え時期のほうが重要になります。

マンションの場合には、鉄筋コンクリート造りなので一般的な木造住宅よりは長持ちします。しかし、実際に建てられたときのコンクリートの状況や、入居後の適切な時期に適切なメンテナンスを行っているかどうか、地震などの災害に遭ったことがあるかどうかなどによって、物件ごとに変わってきます。どのくらいの耐久性があるのかを知りたければ、住宅性能表示制度を利用しているかどうかを見るとわかります。

住宅性能表示制度を利用している場合には、パンフレットなどに劣化対策等級が、等級1から等級3まで記載されています。等級1は、最低限の建築基準法に定められた対策がなされていることを、等級2は今後2世代(約50年から60年)、等級1は今後3世代(75年から90年)は耐久性が見込めることを表しています。

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家の寿命年数の説明

{
・法定耐用年数は実際と違う
・実耐用年数がわかる場合も
・住宅性能表示制度を確認
}

マンションの法定耐用年数と実際の寿命について

具体的にマンションの耐久性はどのくらいあり、実際には何年くらいで建て替えられているものなのでしょうか。ここからは、マンションの法定耐用年数と実際の寿命について見ていきましょう。

マンションの法定耐用年数とは

マンションの耐用年数を考えるうえで、目安として使われることも多い「法定耐用年数」について見ていきましょう。国税庁のホームページには、建物や設備の法定耐用年数の一覧表が公表されています。それによると、マンションというのは「鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの」の住宅用になります。

住宅用鉄筋コンクリートの法定耐用年数は、47年と定められています。物件ごとに耐用年数は変わってきますが、住宅性能表示制度による表示がなされていなくて、耐用年数がわからない場合には、一応の目安として47年と覚えておくといいでしょう。

マンションの減価償却費の計算方法について

投資用マンションを持っている人向けに、減価償却費の計算についてお伝えします。覚えておかなければならないことは、減価償却ができるのは、建物本体と設備だけだということです。土地は減価償却できないので、注意しましょう。また、建物本体と設備の減価償却できる年数は違うので、こちらも注意が必要です。

まずはマンションであっても、持分割合によって土地を所有しているので、購入費から土地の価格を差し引きます。また、設備費も同じように購入価格から差し引きます。土地や設備の価格は、通常は売買契約書などに記載されていますが、中古マンションの場合には、しっかりと分けて記載されないこともあります。その場合、不動産会社に聞いて、どのような内訳になっているのかを確認しましょう。

購入価格から、土地と設備の価格を差し引いた金額が、建物本体の価格です。建物本体価格と設備費に、耐用年数によって定められている償却率を掛ければ、減価償却費が算出できます。中古マンションの場合には、法定耐用年数から、築年数を0.8倍した年数を差し引いた数字が、残りの法定耐用年数になります。なお、建物設備の法定耐用年数は15年です。

例えば、築10年2カ月の物件を3,000万円で購入して、土地が1,500万円、設備費が300万円で建物本体が1,200万円だった場合の減価償却は、次のように計算します。

【建物本体の法定耐用年数】
47年-(11年×0.8)≒38年 (端数は切り捨て切り上げ適時)
*償却率は0.027【建物設備の法定耐用年数】
15年-(11年×0.8)≒6年 (端数は切り捨て切り上げ適時)
*償却率は0.167

  • 建物本体の償却費:(3,000万円-1,500万円-300万円)×0.027=32万4,000円
  • 建物設備の償却費:300万円×0.167=50万1,000円

マンションの平均的な寿命とは

実際には、日本ではマンションの寿命はどのくらいなのでしょうか。取り壊されたマンションの平均寿命は、国土交通省が2013年に発表している資料によると、平均68年で取り壊されています。その中で、取り壊したのちに建て替えられたものに限っては、平均で33年です。

これはあくまでも平均であって、50年ほどで建て替えられているマンションもあれば、33年で壊されてしまい、その後の建て替えがないものも当然あります。1981年に「新耐震基準」が始まりましたが、それ以前に建てられた建物というのは、震度6から7の揺れで倒壊する恐れがあります。耐震補強工事をするくらいなら、建て替えて戸数を増やしたほうが良いということで、建て替えが進められている現状があります。

{
・法定耐用年数は47年
・実際の平均寿命は68年
・建替え寿命は33年
}

早く寿命を迎えるマンションと長く使えるマンションの違い

鉄筋コンクリート造りの建物というのは、本来であれば100年以上持つと言われています。しかし、現実には現在の日本では、全体で70年弱で取り壊されていることが現状です。取り壊される理由もさまざまですが、「建物が寿命を迎えて、これ以上使い続けることができなくなった」という理由も多いです。寿命を早く迎えるマンションと、長く使い続けられるマンションとでは、いったいどんな違いがあるのか見ていきます。

配管が交換できるかどうか

現在、建て替えが進められているマンションの多くが、1960年代から70年代の高度経済成長期に建設されたものです。鉄筋コンクリート造りの建物の寿命から考えると、耐震工事さえしっかりと行えば、まだまだ使い続けられるはずですが、この時代のマンションは配管に問題があります。

この時期に建てられたマンションの多くが、配管をコンクリートの中に埋め込んでしまっています。配管の寿命は長くても30年と言われているので、もうすでに寿命を超えているものがほとんどです。しかし、コンクリートの中に埋め込まれているため、交換することができずに、建て替えるしか選択肢がないというマンションが多いことが現状です。

コンクリートの質

建設されたときのコンクリートの質も、寿命に大きく関係してきます。コンクリートは、水と混ぜてこねて使われるものです。混ぜるときの水の割合が高いと質が悪く、強度の弱いものになってしまいます

水の割合が多いコンクリートを使っていると、ひび割れしやすくなります。そして、ひび割れしたところから雨水が浸入すると、建物の傷みが早くなり、建て替え時期を早めてしまうことになります。

メンテナンスを正しく行ってきたかどうか

鉄筋コンクリートはとても頑丈ですが、正しいメンテナンスを行うかどうかで、寿命は大きく変わってきます。とくに大切なことは、約10年に一度は行わなくてはならない外壁塗装と、屋上の防水処理です。

これを怠っていると、徐々に風雨がコンクリートを蝕み、やがて雨水が鉄筋にまで侵食して、建物の強度を弱めることになってしまいます。

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{
・建替え理由は配管が多い
・コンクリートの質は重要
・補修が適切なら安心
}

寿命を迎えたマンションはどうなるか

寿命を迎えてしまい、住み続けることができなくなってしまったマンションは、どうなるのでしょうか。耐震性にも問題があり、配管もボロボロになってしまったら、そのまま住み続けるわけにはいかなくなります。そうなってしまったマンションには、どのような選択肢があるのか見ていきましょう。

居住者負担で建て替える

一つ目の選択肢には、居住者負担で建て替えるというものがあります。しかし、これは現実的ではありません。というのは、建て替えには所有者の5分の4以上の賛成が必要になることと、建て替えの費用が数千万円単位に及ぶことが多いためです。

新築のときから、長年住み続けてきた住民の中には、すでに定年を迎えている人も多く、今から2,000万円もの住宅ローンを組むことができないという住民も多いことが、建て替えが必要なマンションの実態です。そのため、なかなか居住者負担による建て替えは、進まないのが現実です。

ディベロッパーなどに売却

二つ目の選択肢として、ディベロッパーなどに建物ごと売却してしまって、売却益をそれぞれが受け取って、引越しをするというものがあります。ディベロッパーは建物を解体したうえで、新しいマンションや商業用ビルを新しく建設します。

ただし、売却費用から、建物の解体費用が差し引かれてしまうので、すべての所有者に分配する金額は、雀の涙ほどにしかならないこともあります。新しい住居を用意する費用にも足りないこともあるので、反対する人が多くなかなか実現しません。

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解体したうえで土地を売却

すべての住民に引越しをしてもらってから、解体して更地にしたうえで売却するという選択肢もあります。この場合には、売却した利益の配分は引っ越し後になります。

そのうえ、マンションの場合には解体費用がかなり高額になることから、売却費用から解体費用を差し引くと、大した利益になりません。やはりこちらも、新居を用意して引っ越す費用を考えると、現実的ではありません。

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居住者負担0円で建て替えられる場合も

現在進められている建て替えの多くが、居住者負担0円で建て替えるという方法です。こちらは、建物の建ぺい率と容積率を上げたうえで、以前のマンションよりも大きなマンションを建設します。そして、増えた戸数分だけ分譲マンションとして販売すれば、居住者負担0円で建て替えが行えます。

建設費用の負担が0円というだけでなく、建設中の仮住まいや2回の引っ越し費用も賄えてしまう場合もあり、現在積極的に推進されています。

そのまま住み続ける

建ぺい率と容積率を上げ、戸数を増やして分譲した収入から、建て替え費用および、現在の居住者の仮住まいと引っ越し費用を賄うことができなければ、寿命が来たマンションを取り壊すことは、居住者に多額の負担が掛かります。

新築のときから住み続けている居住者の多くが高齢者で、新居を探してこれから新しい家で、新生活を始めようという気力のない人が多いことが現状です。そこで、いろいろと不具合があっても、終の棲家としてこのまま住み続けることを、選択する場合も少なくありません。

しかし、そういったマンションでは管理組合も破綻している場合もあり、耐震性などに問題ありのマンションもあることから、今後の対策が急がれています。

{
・建て替えには多くの困難が
・負担0円で建て替える例も
・寿命でも住み続けることも
}

建て替えの話が出始めたら早めに売却を考えよう

寿命が来たマンションを建て替えるということは、とても大変なことです。新たな購入者が多く見込める立地であれば、建ぺい率を上げて、居住者負担0円で建て替えるという方法も取れますが、すべてのマンションでこの方法が取れるわけではありません。

定年後にマンションの寿命が来てしまい、建て替えや住み替えが必要になったら、面倒くさいことになるのが目に見えています。下手をすると、居住者負担や新居探しで、退職金の貯えも吹き飛んでしまう可能性があります。

そうなってしまったら老後の生活も危うくなってしまいます。今住んでいるマンションの寿命の話や建て替えの話というのは、管理組合の総会で必ずいつかは話題になるものです。そういった話が出始めたら、中古マンションとしてまだ価値があるうちに、売却することをおすすめします。

中古マンションの人気は現在かなりあるので、もっと長く住み続けられるマンションや一戸建てに住み替えて、安心できる老後を選択することをおすすめします。また、中古マンションの購入を考えている人は、検討しているマンションの寿命ということも考えて検討しましょう。住宅性能表示制度による等級を、確認できる物件のみを探すなどして、あらかじめ自衛することが大切です。

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