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土地の名義変更は種類が多い!代表的な4つの移転を解説する

売買では必ずといって良いほど登記の名義は書き換えますが、相続の登記は、特に田舎では放っておいている人も多いのではないでしょうか。面倒だから、とか費用がかかるからなどと放っておくと、将来相続人が何十人にもなって、動かそうにも動かせない状態になるかもしれません。

その時は専門家に依頼すれば簡単です。司法書士などは慣れているので、そうなる前に手続きしてくれます。少々の費用を惜しんで、第三者に権利を奪われる可能性があるのは非常に危険です。

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目次

土地の名義変更が必要なとき

売買のときに名義を書き換えない人はいないと思うのですが、相続のときに書き換えない人は大勢います。ひい爺さんの名義のままなどという登記もあります。しかし、放っておくと、相続人が何十人にもなって、始末に負えなくなる時があります。

何があって土地の名義を変更するのか

土地の所有者が、売買、相続等を原因として、所有者が変わった時、名義を書き換える登記をすることが出来ます。することが出来るのであって、法律的な意味では、必ず書き換えなければならない、ということはありません。

名義の書換、つまり所有権の移転登記については、所有権の移転の要件では無く、第三者に権利を主張できるようになる要件(民法177条)なので、登記しなくても所有権の移転自体の法律的効力は当事者間に起きているのです。それを、売買取引や相続などに関係のない第三者に「この土地は私のものです」と権利を主張出来るようになるには登記が必要、ということです。

これは住宅ローンを借りるときに設定する抵当権設定の登記や、地上権設定の登記なども同じです。これらは、権利の登記と呼ばれていて、土地や建物の性質や形状などを表す表示の登記と違って義務ではないのです。

所有権移転登記手続きの大まかな流れ

所有権移転登記を行うのは、どのような時でしょうか。また登記の申請方法や審査の期間なども確認します。

所有権移転の効力発生

相続、売買等の所有権移転の効力が発生します。例えばAさんからBさんに土地を売却した、という契約を結びます。特約が無い限り、契約の時点でAさんはBさんに土地の所有権を移転する義務ができ、BさんはAさんに代金を支払う義務が出来ます。Bさんが代金を支払うのと同時にAさんは土地をBさんに引き渡します。

相続の場合、相続は死亡によって開始する(民法882条)とされているので、相続の所有権移転の効力は、被相続人の死亡の日に発生します。登記手続きは所有権移転の効力の発生後に始まります。売買手続きでは不動産の引渡し日に登記申請するため、事前から準備していますが、登記申請自体は売買の効力発生後に行います。

登記申請と法務局での審査

相続では、亡くなった人の戸籍を収集したり、遺産分割協議を法定相続人で行ったりするケースが多いため、亡くなってから実際に登記を申請できるのはスムーズにいって2週間~1カ月後位でしょうか。

法務局で登記申請の審査を行い、書類などに間違いが無いと認められれば、その登記申請は無事申請通りに登記されます。書類に間違いがあったりすると、法務局から連絡がきて、軽微な訂正なら、補正をすることになり、重大な瑕疵があれば、取り下げを促されます。補正または取り下げを行わない場合は、その登記申請は却下されます。

登記の完了

登記が無事完了するのは、大体1週間~2週間程度でしょう。手続きが終わりましたら、登記識別情報通知が出来上がります。昔で言う、権利証です。これで、登記手続きは完了です。

名義変更手続きをしない場合は裁判に勝てない

土地を購入後、名義変更手続きをせずにしておくと、思わぬトラブルに巻き込まれないとも限りません。

所有権移転登記は第三者に対抗するための要件

なぜ名義変更の登記をするのかというと、第三者に盗られないため、ということです。

もし、売り主Aさんが、買い主Bさんに土地を売ったとします。しかし、Bさんは登記をせず、その後Aさんは買い主Cさんに同じ土地を売ってしまい、Cさんは登記をしました。CさんはBさんに対して、この土地はCの登記したものですのでCの所有物と主張でき、Bさんは、登記が無いため、Cさんに対抗できず、Aさんに損害賠償を求めるのみとなってしまいます。

Bさんは登記が無いため、第三者であるCさんに所有権を主張できないということです。民法177条は登記の有無について善意、悪意(その事実を知らないか、知っているかということ)を問わないので、裁判でBさんがCさんを訴えても、Cさんが例えBさんに、Aさんが先に土地を売っていた事実を知っていても、BさんはCさんに裁判で勝つことは出来ません。

登記が無くても第三者に勝てる場合

ただしCさんが、Bさんに対して、「背信的悪意者」として認められた場合のみ、BさんはCさんに対して勝訴することが出来ます、背信的悪意者とは、登記の欠缺を主張する正当な利益を有さないと認められる者です。

例をあげると、Cさんが、Bさんに対して単に復讐するつもりのみで土地を手に入れた、Cさんは、Bさんの売買のときの立会人だった、などということが挙げられ、この場合はCさんは背信的悪意者として、Bさんに対し登記がある事をもって所有権を主張できない、ということになります。

主な名義変更の手続きは4つ

土地の名義変更で、主にされる所有権移転登記の登記原因は「売買」、「相続」、「贈与」、「財産分与」の4つです。他にも「交換」、「遺留分減殺」、「時効取得」などあります。ただし、不動産の所有者が法人だった場合、「合併」という登記原因はよく見かけられます。そのためここでは「売買」、「相続」、「贈与」、「財産分与」について説明します。

{
・登記は第三者に宣言する事
・物権変動後に登記が出来る
・登記無くても勝てる場合有
}

相続による所有権移転

人が亡くなった時はお葬式や親戚への連絡などで慌ててしまうのですが、財産がどうなっているのかは確認しましょう。負債が多ければ相続放棄しなければならないかもしれないですし、相続放棄の期間は相続がある事を知った後3カ月以内にしなければいけません。

土地を相続したときは相続を原因とする所有権移転登記を行う

土地を相続した場合は、登記原因を「相続」とする所有権移転登記を申請します。タイミングにより、相続登記の後に遺産分割協議が整った場合は登記原因を「遺産分割」とする所有権移転登記(または持分移転登記)申請を相続登記の次に申請することもあります。

被相続人の死亡によって、相続は開始しますので、相続を登記原因とする日付は、必ず被相続人の死亡の日になります

また、登記申請は登記権利者と登記義務者との共同申請が原則(登記名義人になる人が登記権利者、登記名義人で無くなる人が登記義務者)ですが、相続の場合は、登記義務者に当たる人は亡くなっているので、申請人になることは出来ず、相続人から単独で登記申請を行います

相続登記による名義変更の流れ

相続登記の書類の準備や、相続分の確定など手間や時間のかかることが多いですが、あせらずひとつ一つ確実に処理して行きましょう。

法定相続人の確定

被相続人の死亡により、法定相続人は確定しますので、誰が法定相続人か調査するために、被相続人の戸籍謄本を、除籍、改製されたものを含めて出生時から死亡時まで全て収集します。これが一番相続登記で大変で、時間のかかる作業でしょう。

残された配偶者やその子供以外に、愛人の子供がいたとか、前妻との間に子供がいたとしたら、その子供も法定相続人となりますので、遺産分割協議などする場合は、たとえ面識が無くても一緒に協議しなければなりません。

相続人の相続分の確定

遺言書が存在していれば、遺言書の通りに登記すれば良いのですが、「愛人に全財産を遺贈する」などという内容の遺言では、法定相続人たちが遺留分減殺請求権を行使することも大いにあり得るので、そうなると相続分も変わってきます。

後は法定相続人でも生前贈与を受けた人がいれば、その分は時期によっては相続分としてカウントされるので、注意が必要です。

相続登記の申請人

各相続人の相続分が確定したら、各相続人の持分通りに登記申請します。単純に法定相続分通りだとすると、配偶者と子がいれば、配偶者は2分の1、子は2分の1を人数分で割ったものが相続分です。登記申請は、土地の権利を受け継ぐ人全員から申請します。配偶者と子供2人の3人が申請人になったり、遺言や遺産分割協議で土地を相続する人が1人ならばその人のみが申請人になります。

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相続登記申請に必要な書類

必要書類を揃えることは手間暇がかかります。また自分だけでは準備できない書類などは、その専門家に依頼するのが早道です。

法定相続の場合の登記原因証明情報

まずは法定相続の場合は、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍です。全て揃えないと、法定相続人が他にいないか、確定できないので全て取ります。それと被相続人の死亡時の除住民票か戸籍の附票。相続人全員の現在の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降に作成されたもの)。

相続関係説明図(自分で書くこともできますし、司法書士に依頼することもできます)。相続放棄した人がいれば、相続放棄申述受理証明書。以上が法定相続の、登記原因証明情報として必要です。

遺産分割協議をした場合の登記原因証明情報

遺産分割協議を行った場合の登記原因証明情報は、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍。被相続人の死亡時の除住民票か戸籍の附票。相続人全員の現在の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降に作成されたもの)。相続関係説明図。遺産分割協議書(法定相続人全員の実印が押印してあるもの)。法定相続人全員の印鑑証明書。相続放棄した人がいれば、相続放棄申述受理証明書。以上です。

遺言書が存在した場合の登記原因証明情報

遺言がある場合(法定相続人の1人または複数に、不動産を相続させる場合)の登記原因証明情報は、被相続人の死亡時の戸籍謄本(のみ)。被相続人の死亡時の除住民票か戸籍の附票。遺言書(自筆証書、秘密証書遺言の場合は検認済みのもの)。不動産を相続する人の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降に作成されたもの)。以上です。

相続登記で必要な書類

後どの相続登記でも添付するのが、住所証明情報として、相続する人全員の住民票(被相続人の死亡日以降に作成されたもの)。評価証明情報(最新年度のもの)。相続登記申請書。司法書士に依頼する時は代理権限証明情報(委任状)。以上が必要書類となります。

相続登記の費用、税金は?

相続登記には手間暇だけでなく、登録免許税や必要書類の発行手数料、弁護士や司法書士に依頼すれば報酬も必要になります。ここではどのくらいの経費が必要になるか見てまいります。

相続登記の登録免許税

不動産の相続登記の登録免許税は、固定資産税評価証明書記載の評価額の0.4%です。土地も建物も変わりありません。例えば土地の評価額が2,500万円でしたら登録免許税は10万円です。

戸籍等書類の費用

戸籍謄本は1通450円、除籍謄本または改製原戸籍と呼ばれる過去の戸籍は1通750円、除住民票または戸籍の附票は1通300円、住民票も1通300円、印鑑証明書は1通300円、家庭裁判所から取る相続放棄申述受理証明書は1通150円、固定資産税評価証明書は市区町村によって違うので、問い合わせてください。

戸籍について

戸籍関係書類については、何通取ることになるかは、やってみないと分かりません。本籍地を移していなくとも、戸籍は何度か書式を改製されているので、改製原戸籍というものを取得する必要がありますし、転籍を繰り返していると、そのたびに古い戸籍が除籍されて、新しい戸籍がつくられるので、それも全部集める必要があります。結婚すれば親の戸籍から除籍されて自分の戸籍を持つことになりますし、数通で済む人もいれば、何十通も必要な人がいたりして、そのたびに費用がかかります。

司法書士に依頼した場合の費用

司法書士に依頼すると、面倒な戸籍収集と書類作成、登記申請まで代行してくれます。報酬は6万円~12万円程度でしょう。それに戸籍、住民票等、登記事項証明書1通480円~600円、交通費等の実費、登録免許税が一緒に請求されてきますので、報酬は7万円だとしても請求額は20万円以上になることがあります。

戸籍収集だけ依頼したい、後は自分でやる、という人は行政書士に依頼すれば良いでしょう。相続でもめた場合は弁護士です。なお、相続税は被相続人の死亡後10カ月以内に支払うこととなっていますが、相続登記自体は期限はありません。相続税については税理士が専門です。

{
・相続登記は単独申請
・戸籍取集は素人には大変
・相続によって書類が違う
}

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贈与による所有権移転

贈与は税金の絡みがあるので、司法書士よりは税理士と相談しながら行ったほうが良いかもしれません。登記は税理士の知り合いの司法書士にお願いすればいいでしょう。

土地を贈与したときは贈与を原因とする所有権移転登記を行う

贈与の場合は、親子間、または夫婦間での贈与が多いです。この時の登記申請は、相続とは違い、贈与者を登記義務者、受贈者を登記権利者とする所有権移転登記を共同申請で行います。相続は特別に単独申請が認められていますが、贈与は原則通り、共同申請になります。

生前贈与について

生前贈与をすると、メリットがあるのでしょうか。またその反対のデメリットも考え、賢い生前贈与について考えます。

生前贈与の配偶者控除のメリット

通常の贈与税の基礎控除は110万円ですが、婚姻期間が20年間以上で、居住用不動産の贈与の場合に使える配偶者控除2,000万円を使うと、2,110万円まで非課税となる制度があります。生前贈与で注意する点として法定相続人に対する相続開始3年前からの贈与が無効となるルールがあるのですが、配偶者控除を受けた財産はその例外で、贈与は有効のままになります。そのため、改めて計算しなおして相続税を払う必要はありません。

生前贈与の配偶者控除のデメリット

しかし、贈与を受けた側が先に死亡し、贈与をした側が生前贈与した分も含めて相続した場合、相続登記に0.4%無駄に登録免許税を支払うことになります。配偶者は相続の際は最低1億6,000万円の控除を受けますし、不動産を同居の親族が相続する場合は8割引きで相続出来ますので、贈与の際の登録免許税や不動産取得税を考えると、無理して生前贈与しないほうが良い場合も多いでしょう。

これは専門家である税理士や弁護士に相談して行なったほうが良いでしょう。ちなみに贈与の登録免許税は固定資産税評価額の2%です。

贈与による所有権移転登記の流れ

まずは、贈与契約を結びます。書面によらない贈与は撤回することが出来る(民法550条、改正民法では撤回の代わりに「解除」となる)ただし履行の終わった部分に関しては、この限りでないという条文があり、不動産の場合は、履行は不動産の引渡しですので、引渡しがあるまでは、贈与契約を無かったことにできます

そのため、贈与契約を確定的にするためには、書面で契約をする必要があります。書面によらない贈与の場合は引渡し後、書面による贈与契約は契約書に従った所有権移転の日以降に登記手続きをします。

登記申請は受贈者を登記権利者、贈与者を登記義務者とした共同申請です。その後、法務局で受理された登記申請が問題なければ、1週間~2週間程度で完了し、登記識別情報通知書が作成されます。

贈与登記の必要書類

まず、登記義務者である贈与者の必要書類は、その土地の権利証または登記識別情報、作成後3カ月以内の印鑑証明書、実印です。

受贈者の必要書類は、住民票と認印です。

他に固定資産税評価証明書(最新年度のもの)登記申請書、登記原因証明情報として贈与契約書または報告書形式のものを別途作成して添付します。司法書士に委任する場合は委任状に署名押印(登記義務者は実印)したものを添付します。

贈与登記の費用と税

贈与を登記原因とする所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価証明書の評価額の2%です。評価額が2,000万円だとすると登録免許税は40万円ということになります。

司法書士に依頼する場合は、報酬は5万円~10万円程度でしょうか。不動産の数にもよりますし、司法書士の報酬額は特に決まりは無いので、各司法書士でバラバラです。もっと高いところもあるかもしれません。

{
・贈与登記は共同申請
・税金で損する場合もある
・契約書は作ったほうが良い
}

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距離ある二人

財産分与による所有権移転

協議離婚で離婚協議書を作成する時は、公正証書を使うことです。養育費や慰謝料がある時は必ず、それに強制執行認諾条項を付けましょう、後で強制執行する時に大変楽になります。

離婚で財産分与したときは財産分与を原因とした所有権移転登記を行う

離婚により共有の財産を清算した時の財産分与で不動産の所有権移転登記申請を行うときの登記原因は「財産分与」です。原因日付は、財産分与の協議が成立した日ですが、離婚の前に、財産分与の協議が整っていれば、離婚の日が財産分与の原因日付になります。

共有財産とは不動産等財産の名義が共有ということではなく、夫婦の片方が特有財産を形成しても、もう片方には請求権がある(民法768条1項、771条)というところで、財産の均衡を図ったものと思われます。

財産分与による所有権移転登記の流れ

財産の分与をするのは、どのような場合でしょうか。残念なことに離婚による財産分与というケースも考えられます。所有権移転登記の流れについて見て聞きます。

協議離婚の場合

まず、離婚をしようということになり、夫婦で話し合いによる離婚が成立した場合は協議離婚ということで離婚届を出して終わり、ということにはなりません。子供がいる場合は親権の話し合いがあり、養育費もあり、そして、財産分与の話し合いもあるということです。

それらの話が、離婚協議中に終わっているならば、離婚と同時に財産分与の効果が発生し、登記手続きが出来ますが、協議離婚後に財産分与の話し合いをする時は、財産分与の協議が終わった日が登記原因の日になります。

調停、裁判離婚の場合

協議で離婚が整わない時は、調停、審判、裁判等となるわけですが、まず裁判の前に調停をしなければなりません。調停前置主義といって、裁判の前に調停を開かなければならないのです。調停で合意できなければ裁判ということになり、判決や和解をもって、離婚手続きは終了します。登記原因日付は、調停の成立日や判決の確定日です。

財産分与の登記の申請人

協議離婚の場合は通常の共同申請の形式が取られます。

調停や審判、裁判離婚の場合は、「甲は乙に対し別紙不動産につき 財産分与を原因とする所有権移転登記をせよ」という文言の調停調書や確定判決を貰えれば登記権利者単独で所有権移転登記申請が出来ますが、「当事者双方が協力して移転登記手続きを行う」という旨の文言では単独申請は出来ません。注意したいところです。

その後、登記申請ですが、協議離婚では共同申請ですが、調停、裁判上の離婚の場合は登記権利者からの単独申請も可能になります(ただし、判決等の文言による)。判決などで登記義務者の意思が擬制、つまり申請の意思があるものとされているからです。

財産分与登記の必要書類

協議離婚の場合は通常の共同申請ですから、財産分与をする登記義務者が権利証または登記識別情報、作成後3カ月以内の印鑑証明書、実印、もらう側の登記権利者が住民票、認印で、その他に登記申請書、登記原因情報になる離婚協議書または財産分与契約書(または報告書形式の登記原因情報)、固定資産税評価証明書(最新年のもの)司法書士に委任する場合は委任状に署名押印(登記義務者は実印)したものを添付します。

調停、審判、裁判上の離婚の場合は、調停調書正本または判決正本、分与を受ける人の住民票、認印、離婚の記載のある戸籍謄本、固定資産税評価証明書(最新年度のもの)、司法書士に依頼する時は委任状、が必要になります。協議離婚と違って、権利証または登記識別情報や相手方の印鑑証明書は不要です

財産分与登記の費用と税

財産分与の登録免許税は固定資産税評価額の2%です。司法書士への報酬は大体5万円~10万円程度でしょう。贈与税、不動産取得税については、一般的な財産分与ではかかることは無いでしょう。

{
・財産分与は原因日付に注意
・協議離婚は共同申請
・裁判等離婚は単独申請
}

土地の売買による所有権移転

今まで紹介した登記は自分でもやろうと思えば調べてできるものです。しかし、特に銀行が絡んだら売買は絶対に本人申請はさせてもらえません。

土地の売買をしたときも所有権移転登記申請が必要

売買で所有者が変わった時も所有権移転登記申請を行います。売買の場合は特に金融機関が住宅ローンを付ける場合が多いでしょうから、相続等に比べても、所有権移転登記申請の必要は高いといえます。買い主名義にならないと、買い主を被担保権者とする抵当権設定登記が出来ないからです。

売買による所有権移転登記の流れ

まず、売り主が不動産業者などを通じて買い主を探します。買主が見つかったら売買契約を結んで契約書に収入印紙を貼り、手附を貰って、土地の引渡しと残代金の決済日を決めます。通常は1カ月程後になります。

決済の日は不動産業者に仲介手数料を払ったり、固定資産税や都市計画税の日割計算があったり、買い主がローンを組んでいればローンが下りるのを待ったり、司法書士が書類を確認したりで、あわただしく進んでいきます。

書類がそろい、代金も大丈夫となったらその場で解散します、その後、買い主は買った土地を見に行ったり、司法書士は登記申請をしに法務局へ行くか、電子申請なら事務所へ戻ります。その日のうちに登記申請はされて、何も不備が無ければ1週間~2週間ほどで登記手続きは完了し、登記識別情報が新しく発行されて、買い主の元に届きます。

売買による所有権移転登記の必要書類

まず売り主たる登記義務者の必要書類は、その土地の権利証または登記識別情報、作成後3カ月以内の印鑑証明書、実印、固定資産税評価証明書(最新のもの)、買い主たる登記権利者の必要書類は住民票、認印です。それに登記申請書、売買契約書や報告書形式の登記原因情報、司法書士に委任する場合は委任状に署名押印(登記義務者は実印)したものを添付します。

売買による所有権移転登記にかかる費用と税

登録免許税は固定資産税評価証明書の評価額の1.5%(平成31年3月31日まで)本則は2%、2,000万円の土地で30万円の税金です。司法書士への報酬は6万円~12万円くらいでしょう。

司法書士抜きでも本来は登記手続きは出来ますが、住宅ローンを借りるときは金融機関が司法書士抜きの決済を非常に嫌がるでしょう。

また通常は買い主側の仲介業者が司法書士を用意しますが、不動産業者についている司法書士は高いので、自分で費用の安い司法書士を探して見るのも経費節約になるかもしれません。他には土地が買ったときより高く売れた場合は譲渡所得として売り主に税金がかかります。買い主には不動産取得税がかかります。

{
・売買登記はローンでも必要
・売買の登記は共同申請
・安い司法書士を探す
}

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名義変更手続きやそれに伴う税金の専門家は誰?

法務局のホームページにアクセスすれば、登記申請書の雛形が載っています。しかし、一般的なものばかりで、イレギュラーな形の名義変更は載っていません。あくまで一般的なものだけです。そのために専門家がいます。わからないことは専門家に頼むのも時間の節約になります。

名義変更手続きは自分でもできる

売買以外は司法書士無しでもやってできないことは無いです。法務局と相談しながら、また今は不動産登記申請書の雛形がインターネットで簡単に手に入るので、何度かトライすればだんだん覚えていくでしょう。その代わり、贈与税のリスクなどは誰も教えてくれませんから、自分で調べなければなりません。相続も代襲相続などがあると、訳が分からなくなって大変です。イレギュラーな事態が予想される場合は、専門家に頼んだ方が費用はかかっても楽かもしれません

名義変更手続きについて相談や依頼は司法書士へ

登記の専門家は司法書士です。書類の作成や調査などはすぐに調べてくれます。一方、相続税や贈与税など登録免許税以外の税金の専門家は税理士です。紛争が起きたら弁護士が良いでしょうし、書類収集だけなら行政書士が出来ます。名義変更といっても、いろいろな要素が絡んでくるので、各士業にパイプの太い人を選べれば良い選択になると思います。

{
・登記は自分でもできる
・時間が無い人は専門家へ
・登記の相談は司法書士
}

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