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土地を貸す上で知っておきたい土地収用|具体例や基礎知識を解説

所有する土地を貸そうとしたら、その地域が土地収用の対象となってしまった。このような事が起こってしまうと、土地収用をよく知らない場合、どうすれば良いのだろうかと不安に思う人もいるでしょう。

でも、そのような心配はしなくても大丈夫です。土地収用は確かに土地が起業者の物となりますが、実際にはしっかりと補償が現金でなされます。今回はこの様な土地収用の基本やどの様な場合で行われるのか、実際の例について詳しく解説していきます。

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貸したい土地が他人の物になってしまう土地収用

土地収用という言葉を聞いた事があっても、それがそもそもどのようなものなのか、良く分からない人もいるでしょう。他にも人によっては、お金も貰えずに立ち退きになるものと間違った認識をしている人もいるかもしれません。

そこでここでは、知識の無い人でも土地収用についてしっかりと理解出来る様に基本的な事について学びましょう。まず、そもそも土地収用とは何であるかと言う事。また、この土地収用が法律によって定められている事。これらについて、詳しく解説していきます。

そもそも土地収用とは

それでは、基本的な土地収用の定義について解説します。土地収用とはそもそも、公共の利益となる事業に用いるために、私人の土地所有権その他権利を、起業者に強制的に取得させる行為を指すものです。

これだと少し分かりにくいので補足していくと、公共の利益となる事業とは、例えば新幹線を通すためや道路を拡張する事などを意味しています。また、起業者とは土地を収用者を指すもので、多くは国や地方公共団体、企業などが当てはまります。

なお、この土地収用では土地を起業者に強制的に取得させますが、その過程では手順を踏んでしっかりとした審理などが行われます。したがって、いい加減な理論で土地が収用されるものではありません。

法律によって定められている

この土地収用は土地収用法と言う法律によって定められているもので、これを根拠法として事業が進められます。なお、こちらを詳しく解説すると、憲法第29条第3項「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。」に則って行われます。

この様に、土地収用では収用される土地に対して適切な補償が行われます。したがって、土地が強制的にあなた以外の物にはなりますが、金銭的な補償が受けられるものだと言う事です。

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・ 土地が強制的に収用
・ 法律に則って行われる
・ しっかり補償がある

様々な場合で土地収用が行われる

土地収用は公共の利益となるために行われるので、様々な場合で行われます。例えば、道路を新設したり、ダムを建設工事したりする場合。また、河川を整備したり、津波に備えるために堤防を築いたりする場合。

さらに、新しい鉄道を開通させたり、子供達のために公園をつくったり、魚の卸売市場をつくったりする場合に、私人の土地を収用して行われます。ただし、ポイントとしてはこれらは全て同じ法律ではなく、それぞれの場合で各個別法に規定されて事業が行われるものです。

つまり、道路の場合では道路法であったり、河川の場合なら河川法で規定されていると言う事です。

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実際に行われた土地収用の例について

それでは、過去に実際に行われた土地収用の例について見ていきましょう。取り上げる例は、八ツ場ダム、小田急電鉄、成田空港の3つになります。この3例でどのような土地収用が行われたのか、どのくらいの時間が掛かったのか、トラブルとなったのかを解説していきます。

八ッ場ダムの例

良くこちらが分からない人のために解説すると、こちらは群馬県吾妻郡で計画されたダム計画です・ダム建設の起業者は国交省関東地方整備局であり、1952年に計画されて土地収用が進められ、そこから64年後の2016年に移転を拒み続けた、ダム予定地内の最後の土地所有者が買収契約を締結しました。

掛かった年月から分かる様に、住民の反対運動が長年続いたり、政権交代によって計画が中止されたりするなど、紆余曲折がありました。現在も工事が進められており、完成は2019年となっています。

小田急電鉄の例

こちらは小田急電鉄の下北沢駅地下化事業で行われた土地収用です。この例では工事に際して近隣住民が土地が収用されることで、地下鉄化が行われて長年問題となっていた開かずの踏切の問題が解決する事になりました。

こちらも1964年から計画が立てられ、2018年に事業計画の完が予定されており、長い年月が掛かっています。

成田空港の例

こちらはご存知かとは思いますが、成田空港で行われた土地収用です。1960年代から計画が候補地が選定され、新東京国際空港予定地の土地を収用していき、1978年に空港として開港しました。

しかし、その過程では政府と住民との間で反対運動が起こり、いわゆる成田空港問題として社会問題になりました。なお、この反対運動では死者も出ており、また現在も反対派の1部が未だに運動を続けています。

住民の問題だけでなく政府の思惑や時代的な運動によって、現在までも完全に社会問題としては決着していない土地収用例です。

・ 土地収用は時間が掛かる
・ 問題が解決する場合も
・ 社会問題となった事も

土地収用の流れ

具体例についても触れて、土地収用がどの様なものであるのかを理解したら、次はどのような流れで土地収用が行われるのかを見ていきましょう。結論としては、この土地収用には10の手順があり、それぞれで手続きや説明などを行っていきます。ここでは、これについて詳しく解説していきます。

土地収用には10の手順が存在する

この土地収用には10の手順を踏んで行います。詳しくは以下の通りです。

1.任意買収
2.事業認定申請
3.意見書提出、公聴会開催請求
4.認定告示
5.収用裁決申請
6.意見書提出
7.収用裁決申請審理
8.収用(使用)裁決
9.土地区域損失補償等裁決
10.不服申立

それぞれについては、下で詳しく解説していきます。

任意買収

こちらは、土地収用前に起業者が私人の土地を任意に買収していくものです。そして、任意買収が上手く行かない時に行うのが次の事業認定申請です。

事業認定申請

こちらは、補償金額などで折り合いがつかない場合に、土地収用のために起業者が国交省又は都道府県知事に対して、事業認定申請を行うものです。これによって認められれば土地収用が行えます。

ただし、認定を受ける前には、国土交通省令で定める説明会などで事業の内容を利害関係を持っている人達に説明する必要があります。

意見書提出、公聴会開催請求

この段階で利害関係を持っている人は、土地収用に対しての意見書を提出したり、公聴会開催請求をすることが出来ます。

認定告示

この認定告示の日から認定の効力が発生します。つまり、土地収用が行われる事を土地を持っている人達に知らせると言う事です。

収用裁決申請

こちらは、明渡裁決の起業者が行うものです。事業認定の告示があった日から1年以内に、収用又は使用地が所在する都道府県の収用委員会に収用又は使用の裁決を申請出来ます。

分かりやすく言うと、収用委員会という土地収用を審査する委員会に、「こちらの土地を収用しますが宜しいですか」と申請すると言う事です。

意見書提出

こちらは土地所有者やこの土地収用に関係する人が行えるもので、縦覧期間内(公告日から2週間)に意見書を提出出来ます。なお、この意見書の内容としては土地の収用に関する事、例えば土地の範囲などを記載する事が出来ますが、事業に対する不服については書くことが出来ません。

収用裁決申請審理

こちらは収用委員会が行うものです。土地所有者などの意見書を縦覧期間の経過後、遅延なく審理を開始していきます。

収用(使用)裁決

こちらは上の収用裁決申請審理を行った収用委員会が、土地収用について審理をして、申請却下か、収用裁決をするものです。

土地区域損失補償等裁決

さらに、収用委員会の収用裁決では、裁決申請などを受理したら、申請を却下する場合の他に収用地の区域や損失補償、収用時期なども裁決します。この時、起業者と土地の所有者や関係者が納得すれば土地収用が完了します。

不服申立

当然ながら収用裁決に納得できない場合もあり得ます。そのため、裁決に不服がある時には、不服の申し立てが出来ます。ただし、この不服の申し立ては不服の内容によって2つの方法に分かれます。

まず、土地の範囲や補償額などを含めた事に関して不服があるのであれば、国土交通省に審査請求をすが出来ます。次に、補償額のみに関して不服があれば、損失補償への不服は審査請求が出来ないために当事者訴訟になります。当事者訴訟とは、起業者対所有者の民事裁判を行う事です。

・ 10の手順を踏む
・ 不服の申請が出来る
・ 場合によっては民事裁判

土地収用に応じた場合と拒否した場合

土地収用は、人によって補償を受け入れる場合と納得いかずに拒否する場合があります。では、この2つの場合ではその後にどの様な事が行われるのでしょうか。

まず、応じた場合には土地所有者などが受ける損失は起業者が補償する事になります。そして、法律で定められている補償内容が適正なのかを収用委員会が判断します。

次に、拒否した場合には、実は補償金の受領を拒否しても供託となり受領した事になってしまいます。ここでは、これらについて解説します。

土地所有者等が受ける損失は起業者が補償する

こちらについてはしっかりと法律で定められているもので、土地所有者などが受ける損失は起業者が補償する事になっています。また、その際にはそれぞれの持っている土地1つ1つを見積もって、原則現金で支払われます。ただし、場合によっては収用委員会に裁決をしてもらった上で、現物補償を行う事もあります。

補償内容については法律で定められている

土地収用の補償は単純に土地だけを補償するものであると法律で定められていません。詳しく解説すると補償内容は、土地への補償及び借地権など土地に関する権利に対する補償、移転料の補償や通常受ける損失の補償となります。また、営業上の利益や建物の賃貸料などが補償されると定められています。

収用委員会について

収用委員会は起業者から収用裁決の申請があった時に、起業者が見積もった補償額が正当な補償にあたるかどうかを審理などを経て判断していきます。その性質上、裁判所の様な司法に準ずる位置付けとなっています。

補償金の受領を拒否しても供託となり受領した事になる

例え補償金の受領を拒否しても、手続きが進められれば供託となり受領したことになります。こうなると所有権自体は起業者に移転するので、あとは知事の許しを受けて代執行がなされます。なお、補償金は供託となるので、法務局に問い合わせれば受け取りが可能です。

・ 損失は起業者が補償
・ 土地以外も補償される
・ 拒否しても受領した事に

もしも土地収用が行われた場合には何があるのか

それでは、最後にあなたの所有する土地が土地収用の対象となった時を考えてみましょう。この場合はまず、「説明会開催のお知らせ」が掲示されます。また、その後の任意交渉の際に納得するためには、自己の土地の価値を把握しておく事が大切です。その場合に、押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

「説明会開催のお知らせ」が掲示される

具体的には、あなたのお住まいの場所の市役所から「説明会開催のお知らせ」というように、ある日程にある地域に住んでいる利害関係者に対して、説明会に参加するように掲示されます。その後に任意交渉が行われます。

任意交渉の際に納得するためには、自己の土地の価値を把握する

補償金の額が妥当であるのかを判断するためには、自己の土地の価値を把握しておくことが大切です。そうすれば、実際の補償金の額が正当な補償なのかを判断出来るので、納得する事が出来ます。そのためには、事前に土地の価格査定をしておきましょう。

土地価格の一括査定が出来るサイトを利用する

土地の価格査定を行うのであれば、一括査定サイトを利用するのもおすすめです。一括査定サイトであれば、簡単に土地の価格を知ることが出来るので便利です。また、いろいろな業者を知ることができるため、その中からより自分に合った信頼できる業者を見つけましょう。

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土地収用が行われても大丈夫なようにしっかりと土地の価値を把握しよう

土地収用とは、貸したい土地が他人の物になってしまう事を指します。また、様々な場合で土地収用が行われており、八ッ場ダムの例などがあります。さらに、土地収用には10の流れがあり、行われる場合には市役所などで告示がされます。土地収用に応じた場合は、土地所有者などが受ける損失は起業者が補償し、拒否した場合でも供託となり補償金を受領した事になります。

土地収用の対象になったとしても適切な価格で補償を受けることができるように、土地収用について理解して、事前に土地の価値を査定サイトで把握しておきましょう。

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