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家を貸すと課税される6つの税金|計算方法の8つのポイントを紹介

所有している家は他人に貸して利益を得ることができますが、この際には税金がかかることは覚えておきましょう。持ち家を貸すことで新たに追加される税金があるのはもちろん、もともと支払っていたものの金額が変動することもあります。

賃貸利用をしても純粋に利益だけが出るわけではないため、税金についての理解も深め、支出も把握しておくことが大切です。

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家を貸すとかかる税金は6種類

まず知っておきたいのは、家を貸すとどのような税金がかかるのかです。これは全部で6種類あります。

  • 所得税
  • 復興特別所得税
  • 住民税
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 個人事業税

所得に対して、つまり収入に対して課税される税金です。日本は累進課税制度が採用されているため、所得が多くなるほど税率も高くなります。復興特別所得税は災害復興のために2013年から新たに課税されている税金です。期間は2037年までであり、所得税と合算して支払います。

住民税は市民税と県民税の2つに分けられ、簡単にいえば該当の地域に住んでいる人が支払う税金です。住民税は日本全国どこも変わりますが、課税額は地域によって若干変わることもあります。

固定資産税や土地計画税は、個人が所有している不動産に対してかけられる税金です。土地や建物はもちろん、船舶やヘリコプターなど、不動産と認められるものには課税されると考えましょう。

都市計画税は固定資産税の一部に含まれますが、地域によって徴収の有無が異なります。場所によっては固定資産税のみ課税されることもあります。

個人事業税は個人で事業を行う者にかけられる税金であり、事業規模によって課税対象になるかどうかが異なります。個人事業主だからといって全員にかけられるわけではなく、一定規模以上の事業をしている人のみ課税対象になることは覚えておきましょう。

地域や賃貸経営の状態、所有している不動産などによって税負担の詳細は変わりますが、大きく考えると家を貸す際にはこれら6つの支払いを考慮することが大切です。

家を貸す税金①:所得税 / 復興特別所得税で知っておくべきこと

まずは所得に対してかけられる所得税や特別復興所得税について理解を深めていきましょう。所得税は所得の金額に対してかけられる税金であり、金額が大きいほど税額も高くなります。

家を貸す賃貸経営の場合は、経営によって得た金額から各種費用を差し引き、残った分が所得として計上されます。

売上がそのまま所得になるわけではなく、経費を引いた純利益の部分が、課税対象になると考えましょう。課税対象額による税率の違いは、次の通りです。

課税金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円以上330万円以下10%97,500円
330万円以上695万円以下20%42万7,500円
695万円以上900万円以下23%63万6,000円
900万円以上1,8000万円以下33%153万6,000円
1,800万円以上4,000万円以下40%279万6,000円
4,000万円超45%479万6,000円

金額が上がるにつれて控除額も増えるものの、税率自体が高くなるため、所得税の支払いも上昇します。これに付随する復興特別所得税は、所得金額に関係なく、一律2.1%の課税です。所得税額の2.1%が復興特別所得税として上乗せされ、それぞれまとめて納付します。

確定申告は20万円超の所得がある場合に必要

賃貸経営をして利益が出ているなら確定申告は必要ですが、実は申告が必須となるのは年間20万円を超える所得がある場合です。

賃貸の年間所得が20万円以下で、給与所得の部分で年末調整をしているなら確定申告をしなくても所得税についてのペナルティはありません。年間の所得を計算する際には、1月1日から12月31日までの金額で計算します。4月から翌3月という年度の考え方とは異なるため、混同しないように注意しましょう。

確定申告は3月15日が期限

確定申告は収入を得た翌年の3月15日までの期間に行います。例えば2019年の1月1日から12月31日までの所得は、2020年の3月15日までに行うと考えましょう。確定申告の方法は複数あり、方法によって申告期間が異なります。

税務署や確定申告の会場で手続きをする場合は、2月16日から3月15日までの間に申告をしなければなりません。土日の関係で期間がずれることもあるため、当該年のスケジュールは事前に確認しておきましょう。

e-taxというサービスを使い、電子申告をする場合は、1月4日から3月15日までとスタートが早いため、申告期間が長いです。

税務署などで申告する場合は申告書類を入手する必要があり、これは国税庁のホームページでダウンロードするか、申告会場で直接入手してもよいでしょう。期限内に申告をしないと追徴課税のペナルティがあるため、注意しなければなりません。

参考:所得税の確定申告
参考:国税庁 確定申告書等作成コーナー

納付は3月15日までに行う

所得税については期間内に確定申告を行うだけではなく、申告期間中、つまり3月15日までに課税対象となった所得税額を支払わなければなりません。

確定申告をして所得税の納付が必要な場合は、納付通知書が作成されるため、それを使って金融機関の窓口支払いや口座振替、電子申告ならクレジットカードなどの方法で納付します。

確定申告後に別途納税通知書が送付されるわけではないため、申告時に提示される課税金額を、確定申告終了期間までに納付しなければならないと考えましょう。申告を正しく行っても納付期限を超過すると、延滞税が課せられます。

延滞税は期限超過の2カ月は約7%、2カ月以降は約14%となっているため、申告と納付は両方確実に終わらせなければなりません。

家を貸す税金②:住民税で知っておくべきこと

住民税は居住している地域、住民票を置いている地域の自治体に対して支払う税金です。住民税は市民税と都民税(または、県民税など)の2つで構成されており、それぞれで税率が異なります。

また、地域によって課税金額が違うこともあるため、該当地域の場合はどのように設定されているのか、自治体のホームページなどから確認しておくことも大切です。

住民税の申告は20万円以下の所得がある場合に行う

所得税は20万円以下の所得では確定申告は不要でしたが、住民税は反対に20万円以下の所得がある場合に申告をしなければなりません。

住民税は前年の所得額から計算する所得割と、一律で課税される均等割という2つの要素を持っており、この所得割部分を算出するために、20万円以下の所得の場合に申告が必要となります。

賃貸経営のように副業での所得が20万円以上なら、そもそも確定申告は必須であるため、所得の申告と同時に住民税も申告されていると考えましょう。

住民税の所得割は市民税が6%、県民税が4%の計10%であり、これが前年の所得額にかけられます。均等割は地域によって異なりますが、4,000~5,000円程度のところが多いです。

申告は3月15日が期限

住民税の申告が必要な場合は、3月15日までに申告をしなければなりません。申告は市区町村役場の課税担当部署で行い、そこで申告書や収入内訳書などを入手します。

自治体によってはホームページでダウンロードできることもあり、詳しい案内も記載されているため、一度確認しておくとよいでしょう。申告時には他にも印鑑や源泉徴収票、給与支払証明書などが必要です。控除を適用する場合は医療費や保険料などが分かるものを持参しましょう。

納付は6月に一括で行うか分納をする

自治体によって細かいルールに違いがありますが、住民税は基本的に毎年6月に4期分の納税通知が届きます。4期とは6月、8月、10月、翌年の1月の4回でそれぞれ分割で納付するか、一括で納付するかが選べます。

住民税は口座振替にすることも可能であり、口座振替での支払いを選択しているなら、自動的に引き落とされます。また、納税通知書は毎年送られてくるわけではなく、税金が増えた場合に、都度通知が来ると考えましょう。

家を貸す税金③:固定資産税 / 都市計画税で知っておくべきこと

所得税や住民税と違って、固定資産税や都市計画税は性質がやや異なります。前者は所得に対して課税されるものですが、固定資産税などは所得ではなく不動産自体に対して課税されています。税金の性質自体が異なるため、詳細なポイントまで知っておくことが大切です。

固定資産税・都市計画税の申告は不要

そもそも固定資産税や都市計画税は確定申告が不要であり、申告をしなくても毎年納税通知書が届くため、その金額を納付します。固定資産税や都市計画税は1月1日に不動産を所有している人にかかる税金であり、それぞれ地域によって税率が異なります。

税率の多少の違いはありますが、標準税率として定められているのは固定資産税が1.4%で、都市計画税が0.3%です。これらの税率を固定資産税評価額という税額を算出するための不動産の価値指標にかけて、納付額は決定しています。

納付は5月に一括で行うか分納をする

固定資産税は1年分まとめて通知されますが、5月に一括で納付するか、5月、7月、12月、翌2月の4回に分納するかが選べます。納税通知書は毎年送られてくるため、期限内に支払い方法を選択し、納付しなければなりません。

また、家を貸す場合でも所有権自体はオーナーである自分が持っているため、納税義務者は入居者ではなく、所有権を持つ自分自身であることも覚えておきましょう。

家を貸す税金④:個人事業税で知っておくべきこと

賃貸経営を事業規模で手広く行う場合は、個人事業税が課せられる可能性があります。個人事業税は単に賃貸経営をしたからといって課税されるわけではなく、一定の要件を満たす場合のみ課税対象となります。副業程度でやるなら気にする必要はありませんが、賃貸経営の税知識として頭に入れておくとよいでしょう。

規模が一定以上にならなければかからない

賃貸経営で個人事業税がかかる要件は、次の通りです。

  • 戸建なら10棟以上経営
  • 戸建以外なら10室以上経営
  • 所得が事業主控除の290万円以上で一定

これらの要件を満たさない限り個人事業税はかからないため、持ち家を貸すだけなら気にする必要はないでしょう。個人事業税がかかる場合は、年間の純利益から事業主控除を差し引き、残った金額に5%の税率をかけて計算します。税率5%は不動産賃貸の場合であり、業態によって税率は変わります。

申告は3月15日までに行う

個人事業税の課税対象となる場合は、3月15日までに申告をしなければなりません。申告は都道府県の県税事務所にて行いますが、確定申告をしている場合はこれは不要です。基本的に個人事業税がかかるなら所得税の20万円という要件を満たしていることがほとんどであり、確定申告をしているでしょう。

そのため、確定申告をしているなら別途県税事務所での申告は不要であり、毎年8月に送られてくる8月と11月の2期分の納税通知書に従い、必要金額を納付するだけで手続きは完了です。

家を貸す場合にかかる税金計算の8つのポイント

家を貸すには収支の計算とともに、税額についても考える必要があります。税金の計算をする際には、次の8つのポイントを押さえておきましょう。

  • 収入額には家賃以外も含まれる
  • 必要経費をきちんと把握する
  • 青色申告をする
  • 赤字が出た場合は損益通算をする
  • 住宅ローン控除は受けられない
  • 消費税は家賃にはかからない
  • 固定資産税は評価額が正しいか確認する
  • 不動産の売却も視野に入れておく

それぞれのポイントを把握して、税負担がどれくらいになるのか、いかに負担を減らすのかを考えていきましょう。

収入額には家賃以外も含まれる

年間の所得を計算する際には、収入をきちんと管理しておかなければならず、これは家賃以外も含まれるため注意しなければなりません。

賃貸経営なら、例えば敷金や礼金、返金しない保証金なども収入に含まれます。家賃だけで計算すると、正しく所得が計算されず、ペナルティが課せられるため注意しましょう。

必要経費をきちんと把握する

年間の所得は収入から経費を差し引いて計算するため、節税を図るには経費をきちんと計上しなければなりません。賃貸経営のためにかかった各種費用は経費計上ができ、部屋のクリーニング代やリフォームの代金、修繕費用などは全て経費にできます。

実際にかかった費用があっても、申告時に計上していないと経費とは認められず、申告上の所得が大きくなって課税対象も増えてしまうため注意が必要です。

青色申告をする

確定申告には青色と白色の2つの区分があり、手間の多い青色申告のほうが控除金額が大きいです。青色申告をするには、3月15日までに税務署に「青色申告の承認申請書」と「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しなければなりません。

この上で複式帳簿や貸借対照表、損益計算書を作成して、申告を行います。帳簿などの作成を全てデータで行い、電子申告をするなら、控除額は最大65万円となります。白色から青色に変更することで、控除額が数十万円違ってくるため、利益が大きくなってきたなら青色申告に挑戦してみるとよいでしょう。

赤字が出た場合は損益通算をする

賃貸経営で赤字が出た場合は確定申告は必須ではありませんが、申告することで損益通算ができます。損益通算とは、例えば赤字になった賃貸経営のマイナス所得を、給与所得と合算して年間の所得総額を引き下げる仕組みです。

所得の総額が減ると、それまでに払っていた税金の一部が還付されるため、結果的に節税が図れます。損益が出ていても確定申告をする意味はあり、メリットも大きいため、必ず行いましょう。

住宅ローン控除は受けられない

賃貸経営に利用する物件は、基本的には住宅ローンが適用できず、住宅ローン控除も適用できません。ローンの区分は事業用ローンとなり、住宅ローン控除が受けられないばかりか、金利も高くなりやすいことは覚えておきましょう。

ただし、集合住宅で一部を自宅、一部を賃貸用とした場合は、自宅分の面積のみで按分し、その部分のみ住宅ローンを受けることは可能です。金融機関によって取り決めは異なるため、賃貸利用するなら一度相談しておくとよいでしょう。

消費税は家賃にはかからない

賃貸経営で通常供されている部屋の家賃には、消費税はかかりません。これは住まいとして提供されているからであり、利用目的によって課税対象となるかどうかが異なります。

同じ賃貸物件の場合でも、例えば事務所やオフィスなど、居住を目的としない場合は家賃にも消費税が課税されます。

固定資産税は評価額が正しいか確認する

固定資産税額は調査員の調査によって評価額が決定しているため、実際の不動産価値と誤差が出ている場合もあります。そのため、固定資産税の評価額に納得がいかないなら、市区町村の役場に申し出て、再確認を依頼してもよいでしょう。

また、軽減措置を受けている場合は、それが適用されているかもチェックが必要です。固定資産税の納税通知書は金額を確認するだけではなく、内訳も念入りにチェックして、疑問点は全て市区町村に申し出ましょう。

不動産の売却も視野に入れておく

賃貸経営は難しく、思った以上に税金がかかったり、空室ができて金銭的なデメリットが増えたりすることも少なくありません。そのため、金銭的な負担が大きいようなら、売却も視野に入れておくことが大切です。

売却するかどうかで迷うなら、一度一括査定サイトを利用し、どれくらいの査定額がつくかチェックしてみることもおすすめです。

イエウールなら一度に最大6社の査定結果を比較できるため、手持ちの家がどれくらいの資産価値を持っているのか、判断しやすいでしょう。査定額である程度の価値を知り、そこから売却するか、それとも賃貸経営を続行するのか考えることも大切です。

参考:イエウール

家を貸す場合は日頃から会計管理をしっかりと行う

持ち家を貸すことで家賃収入が得られますが、得た収入はきちんと管理しておき、経費とともに計算して確定申告をしなければなりません。

円満な経営を続けるには、日頃からこまめに会計管理をすることが大切です。期限間際で焦らないように、日々会計の情報を記録し、データで収支を見ながら賃貸経営に取り組みましょう。